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CAR ESSAY BMW 1シリーズ

BMWのなかでも一番小さな1シリーズがついに日本上陸。可愛い系コンパクトとは完全に一線を引くスポーツハッチ!

執筆者:岩貞 るみこ


BMWのなかで一番小さいのは3シリーズだった。しかしついに1シリーズの登場である。3より小さい1。数年前からその出現の噂が広がり、いったいどんな小さなクルマが出てくるのかと興味津々だった。BMWというスポーツ性を重視する会社が作るコンパクト1シリーズだけに、単なる「可愛い」クルマではないだろうとは思っていたけれど。

そして出てきたのは予想通り、BMWの走りのDNAを十二分に注ぎ込まれたスポーツモデルなのであった。

だけど思う。BMWのスポーツモデルってどうしてスタイル、特に横からのカタチが野球帽みたいなんだろう。BMWのスポーツクーペであるZ3、そしてその後継であるZ4もやっぱり野球帽みたいなんだな。正直なところ、すいません、あまりかっこいいとは思えないのである。

ゲルマンの人はこれがいいんだろうか。やはり私は東洋人である。

私の好みはさておき、1シリーズの顔立ちは立派なBMWの顔である。精悍な目つき、きりりと引き締まったアゴのライン。高速道路でこのクルマが近づいてきたら、それが初めての1シリーズの遭遇であっても、かなり遠くからでもBMWであることがわかるはずだ。

ボディカラーは11色。シルバーやグレーの濃淡が用意され、全体的にシックな渋め。もちろんバナナシェークイエローやぴちぴちピーチなんて色はない。あくまでもスポーツ心をそそる色合いで統一されている。

今回は一番上級グレードである2Lエンジン搭載の120iに試乗した。サスペンションはノーマルを選択。だってノーマルだって十分に硬いんだもの。

シートに座る。低めのシートポジションが明らかに「そんじょそこらのコンパクトカーじゃない」と物語る。エンジンをスタートさせると音はシャープで太いし、ハンドルも太いし、ついでに重いし。駐車スペースから一般道に走り出すまでのあいだで、すっかりスポーツカー気分なのである。

そして最初のコーナーで、あまりにハンドルへの反応が早いのでびっくりする。すっと軽くきっただけでオシリがすぱっと向きを変えてくるのである。

コーナーの連続では自分の意図するタイミングよりもワンテンポ先にクルマが曲がり始めている感じ。ついついコーナリング速度も上がってしまうというものである。

硬めの乗り心地。オーラのようにクルマを包む速さへの追求心。1シリーズは小さいから、お買い物ハッチね、なんて思ったら大変なことになる。お転婆や暴れん坊といった表現とはとはまた違う。もちろん誰でも受け入れる許容量の大きさはある。でもやはり覚悟して乗ってもらいたいクルマなのである。


BMWのホームページはこちらから。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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