楽しくスポーツするのに素晴らしい大きさ
最高出力517ps/最大トルク570Nmを発生する6リッターV12エンジンに6速MTを組み合わせる。0-100km加速は4.2秒、最高速度は305km/hとされる |
低速トルクがたっぷりあるので、発進に気難しさは皆無。じわりとクラッチをつないでやれば、すーっと動き始める。そこからクラッチペダルを完全に放して、おもむろにアクセルを開けてやればいい。カンタン。
踏み込む。お尻がむずむずする。ちょっとしたスリル。そのまま踏み込めば、かなりやばい事態になりそう。そういう感覚がいまどき貴重で面白い。エンジンがでかくなってバランスが崩れているのかと思いきや、そうでもない。それほど12気筒を感じさせない。それでいてクルマは相当にコンパクトだから、スリルがあるのだ。
トランスアクスルレイアウトを採用することで、前後重量配分を51:49とした。またベースモデルから車高を15mm下げ、スプリングは45%硬い設定に。車両重量も軽量素材の使用などにより50kg増に抑えられている |
それにしても、この大きさは素晴らしいと思う。だからV8でもいいFRスポーツカーなのだが、V12はさらに小さく思える。人間として相対的に考えれば、このサイズが、サーキットではなく街乗りで楽しくスポーツできる限界なんじゃないか、とさえ思えてくる。本当に“いい大きさ”だ。
ワインディングにいかなくても、エンジンを思い切り回さなくても、十分楽しいと思えた点も、最近では珍しい。それでいて、全く飽きない。取材期間中、毎日、どこへ行くのもこれに乗っていった。それほどサイズがいい。
スーパースポーツカーの未来はサイズの超克にあり。そう思えたクルマだった。