VW(フォルクスワーゲン)/ゴルフ

COTYでゴルフが選ばれた訳(2ページ目)

本賞がトヨタプリウス、インポートカー賞はVWゴルフで終わった、“2009-2010日本カー・オブ・ザ・イヤー”。選考委員として参加したガイドが、輸入車を中心に今年の様子を報告します。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

エコとファンの両立がトップの評価に

VWゴルフ
インポート・カー・オブ・ザ・イヤーに選ばれたVWゴルフ。受賞理由は「小排気量エンジンに2種類の過給装置を組み合わせ、独自開発のトランスミッションとの相乗効果により、燃費と快適な走行性能を両立。自動車として本来望まれる機能と喜びを与えてくれる」

輸入車トップでインポート・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したゴルフは、エコカー的な観点も高く評価された数少ないガイシャだと言っていい。TSIとDSGといった主力エコ要素は従来モデルからのキャリオーバーながら、その性能に磨きをかけ、クルマ全体としてもビッグマイナーチェンジながら一層熟成させてきた。時代の流れに逆らうことなく(実用燃費をマジメに考えた)、クルマを運転する喜びを諦めなくていいクルマに仕上げる。このまじめさ、ひたむきさが輸入車トップの評価を得たといえる。

M・ベンツEクラス
10ベストカーに選出された、安全性・快適性・低燃費の向上を熟慮したグローバルスタンダードサルーン、M・ベンツEクラス。10月にはエコカー減税(自動車取得税・自動車重量税を50%減税)にも対応したE250CGIブルーエフィシェンシーアバンギャルドが追加されている

その点、Eクラスは一歩、“間に合わなかった”。賞(今年はショーも兼ねていた)ウィーク直前になって大本命ユニットの直噴直4ガソリンターボエンジンCGIがお披露目されたが、選考委員には届かず。もちろん試乗もできなかったのだから仕方ないが、海外で乗った経験のある人間としては、惜しかったのひと言。アッパーミドルクラスの主力エンジンはエコな4発ガソリンエンジンで十分です、というダウンサイジングな主張は、今後のトレンドになるだろう。

ボルボXC60
ボルボ初のコンパクトクロスオーバーモデル、XC60。レーザーセンサーにより前方車両の走行状況をモニター、追突の危険を感知すると時速30km/h以下で自動的にブレーキをかけつつエンジン出力を抑制するシティ・セーフティなど最新の安全技術を備える

XC60は、そのデザイン性の高さと先進の安全技術(低速用追突回避・軽減オートブレーキシステム)、さらにはコストパフォーマンスの高さが10ベストに残った理由だ。これで燃費改善が計られれば、ボルボの復権も近い。

アルファミト
アルファロメオ史上はじめてのBセグメントモデルとなるミト。8Cコンペティツィオーネにインスパイアされた内外装をもつ。国内では、最高出力155ps/最大トルク201Nmを発生する1.4リッターターボエンジンと6MTの組み合わせのみがラインナップされている

マニュアルミッションしかないミトが10ベスト入りを果たしたことに、かすかな光明をみた。実用以外のクルマの魅力への評価が、まだ残っている証拠として希望を持ちたい。来年はアルファロメオ100周年。ミトには新たなエンジンが積まれ、ダブルクラッチの2ペダルミッションで燃費と実用性と走る楽しみがぐっと上がる(ゴルフと同じ手法だ)。5ドアモデルの147後継もデビュー予定だ。期待したい。

撮影:萩原文博、日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員会
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