実物を見て、素直に格好いいと思えた
国内には599万円のT6 SE AWDのみが導入される、ボルボ初のコンパクトクロスオーバーモデル。大きくなったアイアンマークとグリルサイドの縦型LEDが特徴的なフロントマスクをもつ |
国産車の世界では“ほとんど終わった”クロスオーバーSUVだけど、だからこそ輸入車が注目されるんだと思う。セダンやクーペと同じだ。ほとんど国産車に乗る=ミニバン/ハッチバック/ハイブリッドに乗る、なのだから、あえて国産車に乗らない方のアピールとして、セダン/クーペ/クロスオーバーが挙がった。ハッチバックあたりだと、ミニやフィアット500みたいに“ひとひねり”なければいけない。
というわけで、このところ、輸入クロスオーバー車が元気にみえる。ドイツ御三家の大小がそろい踏みし、VWやルノーからも魅力的なモデルが日本にやってきた。でかいモデルはもちろん、小さめ(といってもある程度でかくなってしまうが)のモデルでも“違い”をアピールできるのだから、輸入車好きには嬉しいかぎり。実際、ステーションワゴンあたりのオルターナティブとして、クロスオーバーSUVに注目が集まっていると思う。
ボルボXC60も、待ち遠しかった一台。一世を風靡した人気ブランドも、このところ一時の勢いが失われつつあった。理由はカンタン。V70シリーズのグレードアップに“人心”がついていききれなかったのだ。かといって、V50じゃグレードダウン感が否めない。じゃあ、ってんで、XC90があったわけだけど、あれはアウディQ7と同じで、日本で乗るにはでか過ぎた。もうちょっと小さいの、出して欲しいな。そう思った人も多いはずだ。
ご覧の通り、XC60はなかなかスタイリッシュである。かなりコンテンポラリーで、大胆だ。ボルボらしさ、とは相反するかも知れないけれど、四角くて愚直というイメージもさすがに薄らいできたんじゃないか。良いクルマだと知っていても買えないV70&S80のイメージが、ここでは上手く作用するかもしれない。実物のXC60を見て「このカタチはイケる」と素直に思えたのだった。
点灯時にショルダー部が浮かび上がるよう、ポジションランプをブレーキランプの2倍の大きさとしたリアコンビランプを採用。ボディサイズは全長がXC70より215mm短い、全長4625×全幅1890×全高1715mm |
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