輸入車/注目の輸入車試乗レポート

ル・マン24時間レースで実感する“幸せ”

伝統のル・マン24時間レースに行って、みんなの幸せそうな様子や走るということの意味を肌で感じて来ました。経過やリザルトではない、レース前と後の周辺の様子にスポットを当てて報告します。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

プジョーがディーゼルマシンで悲願の優勝

ル・マン24時間レース
今年77回目を迎えた伝統の耐久レース「ル・マン24時間」

フルマラソンを走ったことがある。何のために?良くわからない。いろんな理由や理屈もあるだろうけれど、結局、走りたかったから走った。自慢できるようなタイムじゃなかったし、ほとんど5キロ過ぎから訪れた様々な苦痛(腹痛、肘痛、膝痛、などなど)と戦いながら、何とか走りきった。ニューヨークだったので、ゴールしたときには凍えるほど寒かったことを覚えている。

ゆく先々で、何百万人もの応援に支えながらゴールしたわけだが、あれほど辛かったのにゴールラインを跨いだときには幸せの実感しかなかった。もうただただ笑う、泣きじゃくりながらも笑う。心の底から幸せを感じきった。

結局、そういうことなんじゃないか。ル・マン24時間レース。結果はともあれ、みんな楽しかった、幸せだったんじゃないか。ただし、ゴールした者に限るだろうが……。

プジョー908HDi FAP
ディーゼルでの参戦3年目にして総合1、2位を獲得したプジョー908HDi FAP。最高出力700ps/最大トルク1200Nmの5.5リッターエンジンを搭載する
レース経過やリザルトを今さら綴るつもりはない。ただ、プジョーが、ディーゼルマシンで3度目の正直、優勝を果たしたことに心から敬意を表するのみ。せっかくなので、他ではあまり読めない、レース前と後のル・マン周辺の様子にスポットを当てて、報告してみたいと思う。

次ページはル・マン入りした金曜の様子です
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