“熟成と進化”が変えたBMWの走り
軽量アルミ製シェル構造のリトラクタブルハードトップが採用された、2シータースポーツの新型BMW Z4 |
BMWの走りが変わり始めた!
新型7シリーズで既にその傾向を感じてはいたけれど、今回、スポーツモデルの新型Z4に試乗して、改めてその思いを強くした。
何がどう変わったか。
ここ数年のBMWは明らかにアジリティ重視の傾向が強く、特にアクティブステアリング採用以降に顕著だった。クルマの動きがシャープで過敏。それがBMWのスポーツイメージを高めていた感は否めない。受け入れられなかった人以上に好きな人も多かっただろうし、分かり易い個性の演出だったから否定はしない。けれども、それ以前の、たとえばE46 3シリーズのような絶妙な味付けに惚れたことのある身としては、ちょっと演出過剰な気がしてならなかったのだ。
明らかに、その雰囲気へと戻りつつある。
これには、アクティブステアリングの熟成と、ランフラットタイヤの進化が寄与しているのだと思う。いずれも昔ほどの違和感はなくなった。前者は、アクセルレスポンスやシャシーダンピング、シフトスケジュールなどとの統合制御によってより使い易いものとなったし、第三世代に入ったと言われる後者もほとんどノーマルタイヤを変わらぬ性能を発揮する。
'09年3月にスペインで行われた新型Z4の国際試乗会 |
新型Z4については次ページで