モントレーで日本のジドウシャ文化を振り返る
ヘリテージを再確認し認知度を高めるため、ランドローバーを始め世界のブランドも自身のアニバーサリーをモンテレーで祝う |
GM100周年ということもあり、会場奥にはかの有名なモトラマ展示が。戦後のアメリカジドウシャ産業は、それこそクルマで月までひとっ飛びしそうなほど勢いがあったことを想像させる。アメリカ人のクルマに掛ける思いは、われわれが想像する以上に熱かったということを知る。こういうイベントが盛況なのも、道理だ。
ランドローバーの60周年を記念したイベントも開催 |
世界のブランドも、自身のアニバーサリーをこの地で祝うことで、ヘリテージを再確認し、ブランド認知を高めようと躍起である。今年はランドローバーが60周年を迎えている。デフェンダーの原型というべきシリーズ1が各イベント会場で見ることができた。来年はベントレーが90周年、ブガッティが100周年で、それぞれをトリビュートしたイベントが開催されるはずだ。
ペブルビーチのメインスポンサーは日本の横浜タイヤ。なるほど、ここでも我々はお金を出している。振り返って肝心の日本では、ジドウシャ文化というものがまだまだ未熟だ。ガソリンが上がればクルマを諦める。そもそも必要じゃなかったかのように、あっさりと。
これからはクルマも趣味と実用のニ領域にはっきり分かれていくことだろう。実用は便利で壊れないエコカーで良い。趣味の領域は、それがヴィンテージであれ電気自動車であれ、乗る人の愛情の大きさや熱情の深さがものを言う。果たして、日本で趣味領域が広まるのかどうか。大きく言えば、そこにこそ、日本のジドウシャ産業と文化の行く末がかかっているとボクは思う。実用のクルマは、言ってしまえば白物家電。テレビや冷蔵庫、携帯の例を見るまでもなく、他国の追随を許すことだろう。
Photo/ジャガー&ランドローバージャパン