“現代版ネコあし”で独自の存在感
BMWと共同開発された最新直噴ユニットはツインスクロールターボや可変バルブタイミング機構などにより、軽量で高出力・低燃費 |
単純にオシャレなプジョーに乗れて、性能や機能を必要十分に絞るのであれば、既に発表済みの207シリーズのSWモデルあたりを選べば事足りるだろう。207SWというクルマ、Bセグメントでありながら、居住空間はアッパークラス並で、積載性にだって優れる。
その上のモデル、308シリーズの存在理由はだから、プジョーのプレミアム化だと言っていい。ダイナミックなデザインだけでなく、インテグラルレザーといった質感の高いインテリアなどは、207シリーズはもちろん、ライバルのCセグメントハッチバックモデルとも一線を画す出来映えである。
そのことはライドフィールにもよく現れている。がっちりと路面を掴んだ走り味、驚くほどの静粛性の高さ、ハッチバッククラスでは最良といえる直進安定性、あくまでもしなやかな中高速域での“ネコアシ”ライドフィールなど、全てがライバル車と比べても独自の存在感をみせるものだ。
17インチタイヤを履くシエロは、確かに街中、低速域では少し硬い乗り心地に感じる。けれども、ひとたび速度が中速域以上になれば、かつてのネコアシ現代版というべき、実にしなやかで懐の深い=操っていて気持ちのいいハンドリングをみせる。
活発なガソリンエンジンに対して、オートマチックは未だ古く変速してしまうなど、気になるところはあるが、それを上回る魅力がそこかしこで体感できるからこそ、プジョー308シリーズの存在理由はあると言えるだろう。
価格はプレミアムが299万円、シエロが345万円、GTiは355万円となる |
撮影:尾形和美、阿部昌也・カーセンサー