存在感や質感は“Eセグメント級”
最高出力265psを発生する3.2Lエンジンを搭載する3.2FSIは645万円、160psの1.8Lターボの1.8TFSIは419万円となる |
A4がこのたび、80から数えて第八世代(B8)へと進化を果たした。先代B7が事実上B6のビッグマイナーチェンジモデルだったから、A4にとっては久方ぶりに気合いの入ったモデルチェンジである。
ミッション位置を変更することで前軸を前進させ、フロントオーバーハングを短くした新プラットフォームを採用。顎の出たFFスタイルから脱却した(アルファロメオ159やプジョー407と比べてもらいたい)。ちょっとFRっぽく、非常にバランスのいいプロポーションになっている。
クラス最大級のボディサイズとなったことが、その是非はともかく、今回のモデルチェンジのポイントといっていい。その存在感の強さ、見栄えの質感は今やEセグメント級だ。まずは3.2L直噴V6+6速ティプトロニック+クワトロ4WDと1.8L直噴直4ターボ+CVT+FFの2モデルが日本市場へ投入される。
上級モデルにも採用され直感的操作が可能な、ナビやオーディオなどの各種情報を制御するMMI(マルチメディアインターフェイス)を採用 |
想像以上に広いというのが、座っての第一印象だ。ダッシュボード周りの空間、助手席との距離、振り向いたときのスペース感(後方への奥行き)は、3シリーズやCクラスの比ではない。クラス最大級のホイールベースを持つだけあって、後席の乗り降りもしやすく、頭上空間は十ニ分。さらにはシートバックも適度に寝かされていて座面もたっぷりとってあるから、座り心地までいいときた。Dセグメント随一であり、A6いらず、というべきかも知れない(それはそれで問題だけれど)。
インテリアのデザインは、メーターパネルやクラスター処理などA6と共通のもの。シンプルな造作、品のいいマテリアル配置、適度に効かせた派手めのスパイス(メタルなど)で、実にアウディらしいクールモダンな雰囲気を醸し出している。
電子制御のパーキングブレーキなど、その見栄えだけでなく機能も1クラス上だ。ただ、シフトレバー周りのスイッチ配置(MMIマルチメディアインターフェイス)がだんだんと複雑になってきたような気がしてならない。慣れないうちは煩雑でまどろっこしい。
注目装備の1つに、アウディドライブセレクト(ダイナミックステアリング)がある(V6クワトロにオプション)。これは乗り手の好みに応じて、ステアリングやダンピング特性、エンジン、ギアチェンジなどを総合制御するもので、オート/スポーツ/コンフォートという既定モードの他にインディビデュアル設定も可能なものだ。
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