シトロエン/シトロエン

新型C5も“シトロエンらしさ”に溢れていた

日本には秋以降に導入される予定となる、シトロエンの最新デザインをまとった新型、C5。“シトロエンらしい”存在感を放つアッパーミドルクラスサルーン&ワゴンにポルトガルで試乗して来ました。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

“C6の文脈”では計れない最新デザインのC5

シトロエンC5
サルーンは全長4780mm×全幅1860mm×全高1450mm、ホイールベースは2820mmとなる

シトロエンC5
エステートは全長4830mm×全幅1860mm×全高1480mm

新型C5を、衝撃のルックスでクルマ好きを沸かせたアッパーミドルサルーンC6の流れで見ると、違和感を覚えてしまうかも知れない。C6こそシトロエン、という想いの強い人ほど、新しいC5に“らしさ”を見いだすことが難しくなるかも。私も実はそうだ。C6のカタチに衝撃を受けて乗る前から買うぞと盛り上がりとうとう買ってしまった人間には、2代目C5のスタイルはあまりにドイツ車風で、C6の文脈などこれっぽっちも感じられない。

わずかに6ライトのサイドウィンドウと個性的なフロントマスクに惹き付けられはしたものの、肉感的なフェンダーの膨らみはアウディを想起させるし、骨太でメカニカルイメージなホイールはBMWを、リアからの眺めに至ってはアウディ+BMW+レクサスのよう。さすがに初めて写真を見たときは「ええ?、こりゃシトロエンちゃうわ」と叫んでしまったほどだった。

ついC6の文脈で見てしまうからそうなるのだ。新型C5は、C3/C4の流れにある最新デザインと見なければならない。C6は、実は古いコンセプトなのだった。

もっとも、ポルトガルの真っ青な空気の下で見るC5は、明らかに世間とは異質の、だからこそ“らしい”と言っても良さそうな、そんな存在感を放っていたのだから大したものだ。

そして、とにかくでかい。M2セグメント(欧州Dセグメント)とは思えないほど。それでいて、あのアクの強い顔立ちだから、余計に特別なものにみえてくる。実際、そのディメンジョンはM・ベンツEクラスとほぼ同等であり、アッパーミドルクラスサルーン&ワゴンのセグメント論がいよいよ難しくなってきた。

シトロエンC5
日本導入予定の2種類のエンジン、2L直4は143ps/103kW、3LV6は215ps/155kWとなる

日本への導入はこの秋以降となる予定だが、日本仕様に積まれるエンジンタイプは旧型同様のガソリンエンジン2種類である。つまり、2L直4と3LV6。前者には4ATが、後者には6ATが組み合わされる。シトロエン好きならお気づきだろう。そう、エンジン&パワートレインは、やっぱりキャリーオーバーなのだった。これがC5最大の弱点。

中身はC6とほぼ同じ。プジョー407と共通のプラットフォームであり、だからエンジンパワートレインも同様というわけ。工場も同じ仏レンヌの最新プラントだ。

C6と同じということは、もちろんシトロエンと言えばアレ、ハイドラクティヴ3+を搭載する。メカサスの用意もあるが、新生プジョーシトロエンジャポンが日本市場に持ってくるかどうか。

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