走りは“しっかりとしたC6”

シトロエンC5
フラッグシップC6にも採用される、シトロエン独自の油圧を使ったサスペンション“ニューハイドロマチック3プラス”も装備する

相変わらず最近のシトロエンの内装は格好いいな、と思いつつ、まずはV6仕様に乗ってみる。発進時のぐにょぐにょした動きから、ノーズのけだるいまでの重さ、微速域で優柔不断なアイシンATの制御、町中速度域における非線形なパワステフィール、そして相変わらず座りの悪いレザーシートまで、ネガティヴな要素はC6と全く同じ。けれども、圧倒的に剛性(C6はピラーレス4ドアだった)と静粛性が優るゆえ、乗り味にちゃんと新しさがある。

そのままクルージング域に達すると、C6のあの夢見心地なフラットライドはそのままに、しっかり感だけは増しているから、より安心して飛ばせる。スポーツモードにしても乗り心地の気持ち良さが変わらない。ひと言で言って、“しっかりとしたC6”なのだった。

もっとも、適度な緩さもC6の魅力だったから、しっかりしたC6=C5が味わい深いとも一概には言えない。いずれにしてもフランス車のM2セグメントには、いかにサイズが大きくなったとはいえ、3LV6ではエンジンが勝ち過ぎているか。

2Lに乗って、その想いを強くした。パワステのフィールはリニアだし、ノーズの重たさもない。プジョー407ほど軽々しくなく、握っていてとても手応えがよろしい。

シトロエンC5
シトロエンらしいセンスの良い室内。こちらはエステートの本革仕様

さすがに、ここ一番の加速こそしんどいが、凝ったデザインの速度計の針がゆったり動くのがかえって気持ちいいくらいに、スムースに走れる。全体のバランスがV6モデルよりも圧倒的に優れているのだ。4速のオートマチックが古くさいが、一定速度で走り出してしまえば、それすら忘れてしまうほど。ベロアシートの座り心地もよく(座った瞬間に判る!)、軽快なフラットライド感が名車エグザンティアを思い出させる。

カタチはともかく、シトロエンらしさを味わいたいのなら、絶対に2Lだ。それにしても、ガソリンエンジン&パワートレイン、もう少し何とかならないものだろうか……。

【シトロエン・C5 関連記事】
美と生に根ざしたシトロエンC5 (Autovision)
都会にオールマイティで似合うシトロエンC5 (輸入車)
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。