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ボルボV70はどこか中性的!?(2ページ目)

みなさんに代わって魅力的な輸入車と“ほんのしばらく”付き合って見る「一週間ガイシャオーナー」。今回はボルボの主力となるミドルクラスステーションワゴン「V70」と過ごします。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

懐の深い“優しさ”を持つ貴重な存在

ボルボV70
Rデザインの試乗会にて。Rデザインはボルボのハイスペックモデルのスポーティなスタイルをもつ特別仕様車で、C30、S40、V50に用意される

改めてV70T-6に乗ってみて強く思ったことが1つある。それは、このクルマが発する“優しさ”だ。フロントマスクの表情、インテリアの雰囲気、そして肝心の走り味。それらすべてに当たりの柔らかな、ソフトでマイルドな感触を覚える。

確かに、ジャーマンブランドが、かの都会的でスマートでクールなアウディでさえ(あの顔付き!)、あくまでも“力”をアピールしていて、どちらかと言えば男っぽいのに対して、ボルボはあくまでも中性的。それも冷たい中立ではなく、暖かみがある。

ボルボV70
室内は人間工学に基づいた、丸みを帯びた長方形で構成されたデザイン。独自のフリーフローティングセンタースタックも採用される

特にインテリア。最近のボルボの車内を経験して、ほっこりする女性も多いのも頷ける。デザイン的にクルマとして奇をてらったところが何もないのだ。レイアウト的にはごく常識的にまとめられていると言っていい。センタースタッグのような技で個性を主張するのみ。道具らしさを失わず、それでいてモノ感覚を植え付ける。北欧デザインらしい。

乗っても、その印象は変わらない。世の中のガイシャをBMW流とベンツ流に分けるとすれば、明らかにベンツ流の走り味だ。それも最近のメルセデスではなく、少し前までの、ちょっとタメのある、懐の深い感覚。それが今の時代、とても新鮮で、心地いい。

気分がスローになる。そんなクルマが減ってきた今、ボルボの存在は貴重だ。その世界観とはまるで異なるボルボの新ラインナップ、Rデザインの試乗会にも出かけたが、その男っぽい演出に戸惑いを覚えつつ、V70で帰路につく。

千葉県産の、旨い野菜をいくつか買っていこうと思い立ったのは、ボルボV70がくれた心の余裕からだったのかも知れない。

ボルボV70
グリルはクロムメッキのフレームに黒い格子パターンを採用、テールゲートに入るエンブレムは初代をモチーフに文字間隔が広げられている
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