なにも引かない、なにも足さないがコンセプト
ダイヤトーンのコンセプトは以前から「なにも引かない、なにも足さない」。どこかのウイスキーの広告コピーを思い出すが、つまり、音楽ソースに記録された信号のすべてをそのまま、なんの色づけも無く再生することを目指している。
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1000万円クラスのホーム用超高級アンプ+CDプレーヤーで試聴 |
試聴室で聴いた音は、そのコンセプト通り。オーケストラなんかは、例えばバイオリンがひとかたまりに聞こえるのではなく、一人一人の音が聞き取れるような感覚でスケールの大きさとか奥行きを表現するし、ピアノなんかはハンマーが弦を叩く瞬間から音が鋭く立ち上がる。またシンバルのように間近で叩かれると耳に突き刺さってくる音はその通りに、ぐいぐいと音が前に迫ってくるような音だ。
ぐいぐい迫ってくるモニターライクな音
そんな音が押しつけがましいとか、圧迫感があると感じる人もいるだろう。音は人それぞれ好みが異なるが、少なくとも僕は大好きな音だ。また1000万円クラスのホーム用の超高級アンプやCDプレーヤーを使っていたからこその音でもある。しかし、そんなアンプ&CDプレーヤーと組み合わせて、こんな音が聴けるというのは、スピーカーそのもののポテンシャルが高いということ。エンクロージャーごと欲しくなったくらいだ。
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トゥイーターの振動板はクセのないSRチタンを採用 |
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ウーファーはアラミドスキン・アルミハニカムコーン |
トゥイーターはSRチタン振動板を採用。一般的にチタンとかアルミのようなメタル系の振動板は、やはり金属っぽい固有の響きを感じるものだが、SRチタンは焼きを入れて固有の響きを抑えたとのこと。金属っぽい響きが無く、自然でしかも力のある高域は、このトゥイーターの高架だろう。また16センチウーファーはアルミハニカムをアラミドで挟み込んだ軽量・高剛性コーン。音の立ち上がりが素早く、低域から解像度の高いサウンドは、このウーファーのおかげだ。
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