漢字デザイン
繰り返される「オンダ(波)」のモチーフ。 |
発表された1/4スケールモデルのランチアJを見ると、まず前後バンパー下部やサイドシルに繰り返される「波」型のモチーフに気付く。これについてフミアさんはこう語る。
「『オンダ(波)』は、未だかつて他車には採用されていない個性的なモチーフです。この『オンダ』のように明快でシンプルなモチーフが、クリーンでストレートな強いメッセージを持ちます。しかもこのように瞬時に伝わるメッセージは、まさに明快でシンプルな『漢字』のようなグラフィック・シンボルなのです。シンプルながら重要なメッセージを持つ『漢字デザイン』の手法は、ランチアJに特徴的な個性を与えます」。
サイドシルにも繰り返される「オンダ」。 |
この「漢字デザイン」は、マセラッティのマークからフミアさんがデザインした3200GTのインテリアや、提案モデル、エクスポートのX字のルーフ形状など、彼のデザインしたクルマに見られる、一貫した手法の一つだ。
シンプルで力強く、明快なイメージのモチーフを用いるのが「漢字デザイン」。 |
フミアさんは、些細なデザインの差異まで見分ける日本人の識別能力に驚き、それは漢字の識別能力から来るものであると考えた。その漢字のシンプルでストレートなメッセージ性を、モチーフとしてデザイン手法に取り入れたのだ。我々日本人が気付かない日本人や日本文化の特徴を、外からの目で教えられることは多いが、今回もまたイタリア人のフミアさんに教えられたような気がする。
リアバンパーにも「オンダ」のモチーフが。 |