「軽、低、短、小」
エリーゼのディメンションは、3800×1720×1130mm(全長×全幅×全高)。低く、短く、小さく・・・ |
エリーゼのディメンションは、3800×1720×1130mm(全長×全幅×全高)。そのサイズは、たとえば同じミッドシップ2シータースポーツカー、トヨタMR-Sの3895×1695×1235mm(全長×全幅×全高)に近い。しかしエリーゼの車重は、たった830kgと軽自動車並み!MR-Sが1010kgだから、実に180kg、大人3名分近く軽いことになる。
そして軽い!車重は軽自動車並みの830kg。 |
この軽さは全て「パフォーマンスの向上」のため。驚異的な加速と軽快なハンドリングを、「馬力」ではなく「軽い」ことで実現させているのだ。
リアは、トンネルバック。 |
リアボンネットを開けると、ミッドマウントされたエンジンとその後方にトランク。試乗車は、最後のローバー製エンジン搭載車。この10月下旬納車分からは、エントリーモデルも含め、トヨタ製エンジンに変わる。トランクには、56×41×20cmの大型のカメラバッグ ライトウェア1420が、丁度入った。 |
一般的には、速く走るために「馬力を上げ、それに耐えうるように車体剛性を上げ、停まるようにブレーキを補強し・・・」結果車重が重くなる。そしてそのクルマを速く走らせるために、また「馬力を上げ・・・」となってしまう。しかし元々軽い設計で車体を作れば、それを速く走らせるためのエンジンは、必要最低限で十分なのだ。エリーゼのこの超軽量ボディは、押し出し成形アルミを接着して組み立てたシャーシに、FRPのボディを被せるという工法(FRPだからこそ、前記のデザインも実現させた)、そして必要最低限の装備で実現した。
エアコンやオーディオは標準装備。パッセンジャーシート前には、2名分のお財布や携帯を置ける位のスペースの棚が。 |
実際に遮音材も必要最低限のため、決して静かなクルマではない。勢いよくエンジン音が、キャビンに入り込む。また乗り心地もスパルタンだ。けれど、決して不快ではない。「掌(たなごころ)の内」とも言うべき、思い通りになるサイズと軽さ。そのおかげで、エリーゼを操る快感は、アクセルを踏む量に呼応するエンジン音も気分を盛り上げ、その乗り心地さえ地面を蹴る気分にさせてくれる。となるとこの乗り心地は、同乗する女性の意見が気になる所だが、今回同乗してくれた女性は「このクルマ楽しい、ずっと乗っていたい」と言ってくれたことをご報告しておこう。
2本の骨を縦に取り付け、その上にキャンバストップを張れば、天候に関係なく走れる。作業は一人でもできる。 |
車重は軽自動車並みに軽く、ドライバーズシートは目の前が乗用車のテールランプになる低さでスピード感を助長する。全長全幅もフィットなどのBセグ2Box並に短く、小さいエリーゼ。全てが「軽、低、短、小」であるからこそ、類まれなるライトウェイトスポーツカーとして、走る歓びを実現させているのが、ロータス・エリーゼなのだ。
「軽、低、短、小」で走る歓びを実現したライトウェイトスポーツカーが、ロータス・エリーゼだ。 |
(写真・文 松本明彦)
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