「とめ、はね、はらい」

ロータス・エリーゼのデザインは、一見ミニフェラーリといった雰囲気だが・・・

ロータス・エリーゼのデザインは、そのアスレチックなウェッジシェイプで、一見ミニフェラーリといった雰囲気もある。しかし実車を目の当たりにすると、その造形テイストは趣を異にすることに気付く。エリーゼの造形は、言わば書道の「とめ、はね、はらい」のような線の流れ、面の流れがあり、立体を構築しているのだ。

実は書道の「とめ、はね、はらい」のような線の流れ、面の流れがあり、まるで漢字、ひらがなを書くように、抑揚強弱を付け途切れることなく流れる。

たとえばフロントフェンダーからベルトライン、ベルトラインからリアフェンダーへのエッジを立てたラインの流れ。そのリアフェンダーに入り込むリアスポイラーとリアパネル。またドアからリアフェンダーにかけてのエアインテーク。みな「とめ、はね、はらい」を使い、漢字、ひらがなを書くように、抑揚強弱を付け途切れることなく流れる。

エッジを立て盛り上がったフェンダーは、地面を蹴る。フロントボンネットもサイドドア断面も、そぎ落とせる所はそぎ落とす。

またフェラーリのように、十分なサイズを活かして豊かな面を構成し、内包する巨大なパワーを外観に表現するのではなく、軽量化の実現のため、「そぎ落とせる所はそぎ落とす」緊張感のある造形をしている。しかしその結果は決してやせた面ではなく、まるでライト級のボクサーの肉体のように、余分なものなど一切ない鍛えぬかれた筋肉を思い起こさせる。

まるでお尻を地面にするような、低いドライバーズシート。盛り上がったフロントフェンダーが見え、ドライバーに安心感を与える。

エリーゼは、「軽量化によるパフォーマンスの向上」という理念を、見事に美しいデザインに包んで表現した造形と言えよう。

幅広で高いサイドシルを跨いで乗り込む。シートは薄く、リクライニングもないが、しっかりとホールドしてくれる。パッセンジャーシートは、スライドも最後端で固定。軽量化のためトリムを省いたドア上方に、覗くボディ色はスポーティーだ。小さな手荷物や丸めてはずしたキャンバストップは、シート後方に収納できる。