ドイツFR車とは異なる、そのプロポーション
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短いリアオーバーハングと、長いフロントオーバーハングのプロポーションが、前進感を強調する。 撮影:松本明彦 |
現在のアルファ ロメオは、スポーティーでエレガントなプレミアムカーブランドとして認知されている。その中でもアルファ147は、最もコンパクトなハッチバックモデルだ。そのGTAの歴史は、1965年「ジュリアスプリントGT」をベースに作られたレース専用モデル「ジュリアスプリントGTA」まで遡る。「GTA」の「A」はイタリア語の「alleggerita=軽量化」の意味。アルファ 147 GTAは、4200×1765mm(全長×全幅)のコンパクトなCセグメントのボディに、V6 DOHC 24バルブ 3200cc、最高出力250ps 最大トルク30.6kgmの高出力エンジンを積むプレミアムコンパクトだ。
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ミラノ市、ヴィスコンティ家の紋章が、アルファ ロメオのエンブレムの元だ。盾型のグリルも、アルファ ロメオの強いデザインアイコン。 撮影:松本明彦 |
たっぷりとした面にフェンダー部に抑揚のついたボディ。ベルトラインはウェッジシェイプを描き、ルーフは後部に行くにしたがって下がる。そして何より短いリアオーバーハングと長いフロントオーバーハングが、このクルマの前進感を強調する。ドイツFR車の短いフロントオーバーハングと長いホイールベースとのプロポーションとの違いだ。
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通常の147より膨らんだ、アルファ 147 GTAのフロントフェンダー。全幅も1730mmから1765mmへ広がっている。 撮影:松本明彦 |
アルファ ロメオのエンブレムは、「十字」と「人を食う四つ巻きの大蛇」。ミラノ市の紋章、つまりはヴィスコンティ家の紋章と同じだが、「十字」と「大蛇」は左右で入れ替わっている。以前はこれに加えてサヴォイ家の紋章「8字に結ばれた紐」が添えられていた。
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リアフェンダーの膨らみも美しくセクシーだ。 撮影:松本明彦 |
そのエンブレムの入る盾型のグリルは、1949年のカーデザインコンクールで優勝した「6C 2500 SUPER SPORT(VILLA D'ESTE(ヴィラ・デステ))」がルーツになっている。70年代以降ボンネットが下がり、また空力のためにグリルが低くなり、それにしたがってグリルの盾の上下幅も一時狭まったアルファだが、最近また自社の誇り高きヘリテイジを見直し、盾の上下幅を広げバンパーを縦断する強いデザインアイコンを採用するようになった。
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テールパイプを包み込む、ハニカムメッシュの大型リアバンパーもGTA専用。 撮影:松本明彦 |