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280psが半額以下!トヨタブレイド

プリウスをはじめヒット作を連発するトヨタの中にあって、まるでB級グルメみたいに、味はいいんだけど今ひとつパッと売れていなかった車があります。しかし、これが中古車になるとさらにおいしさを増すのです。

籠島 康弘

執筆者:籠島 康弘

中古車ガイド


希少かつ見どころのあるのが、B級トヨタ

トヨタブレイド フロント
旧型VWゴルフとほぼ同じ大きさに2.4Lと3.5Lを搭載、と言うとこの車の特異性がわかりやすいかもしれません。しかもハッチバックが人気の欧州にはあえて販売しないというのも、ブレイドの特徴と言えるでしょう
気づけばこんなに値落ちしていて「おいしい!」という中古車をご紹介しているこの企画。今回はトヨタブレイド(現行型)をご紹介したいと思います。中には「ブレイド? 何だっけ」なんていう人もいるのではないでしょうか。確かにあのトヨタブランドにしては、なかなか地味な存在です。私の周りには、そんなトヨタ車をB級トヨタなんて言う人もいますが、これは決して悪口ではなく、むしろ褒め言葉として使われています。

万人受けする、いわゆるA級トヨタよりも実は凝った思想なり技術なりがあるんだけれど、それがなかなか多くの人に伝わらない……それが私なりのB級トヨタの定義です。例えばステーションワゴンなのかハッチバックなのかカテゴライズしずらいけれど、トヨタで初のCVTを搭載したオーパや、(かなり昔の車で恐縮ですが)ガルウイングを備えたセラ、メルセデス・ベンツの190Eのような小さな高級車を標榜したプログレ……。いずれも「あのトヨタ」にしては販売台数は伸び悩みましたが、しかしちゃんと見るべきポイントが備わっている車たちです。

で、今回のブレイド。失礼ながらB級トヨタの範疇に収まる販売台数(笑)です。しかしB級トヨタということは、見るべきポイントがギュッとつまっているということです。それなのに、中古車ではとてもお手頃価格で買えるようになってきたので、今回のご紹介と相成ったというわけです。ちょっと前置きが長くなりすぎましたね。すみません。

トヨタブレイド リア
一見フツーのハッチバックスタイルですが、リアコンビネーションランプがLED。しかも間接配光にしたり、点灯時に2本の横ラインが強調されるよう、インナーレンズにスモーク塗装が施されるなど、リアはなぜか(笑)力が入っています
VWゴルフやプジョー307あたりをライバルとした欧州戦略車のオーリスの、シャーシを使って2006年12月に登場したブレイド。ただし、リアサスペンションはトーションビームからマクファーソンストラットに変えられています。お金がかかっているのです。にも関わらず、オーリスと違い国内専用モデル。つまり日本人のためだけに作られた贅沢なハッチバックなのです。

中でも注目なのはマスターとマスターGと呼ばれる、全長4mちょっとのこのボディに3.5LのV6エンジンを搭載するグレードです。最高出力はなんと280ps! 当時のVWゴルフGTIが200ps、同R32が250psだというのに、です。新車時価格はマスターが278万円、マスターGが324万円。ただし昨年末にグレード整理が行われ、現在新車で買えるのはマスターGのみに。販売台数の伸び悩みが影響したのでしょうね。

しかし「販売台数の伸び悩み」という言葉は、中古車になると「希少性」という言葉に生まれ変わります。そんな希少なマスターGが、例えば2007年式/1.9万km/修復歴なしで150万円(原稿執筆時点)から売られています。3年でもう半額以下です。しかもこの車を売っているのは、トヨタ系中古車ディーラー。

280psという希少なハッチバックが3年で新車時の半額以下ともなれば、先述したB級トヨタといえど、俄然光り輝いて見えるのではないでしょうか?次ページで、ブレイドの魅力をさらに見てみましょう。
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