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100万円で選び放題! M・ベンツSLK

オープン2シーターって優雅だけど、実用面を考えたらあまりお金をかけられない……という方は多いと思います。しかし、古くさくなくて、装備充実のM・ベンツSLKが100万円以下なら!? おいしくなってますよ。

籠島 康弘

執筆者:籠島 康弘

中古車ガイド

時代を先読み! 13年前からハードルーフを採用

M・ベンツSLK フロント
全長は3995mmと4mと切るコンパクトサイズでFRですから、最小回転半径は4.9mと取り回しやすい車です。10・15モード燃費は9.9km/Lと2.3Lスーパーチャージャーにしてはまずまず。最高出力は193psです
気づけばこんなに値落ちしていて「おいしい!」という中古車をご紹介しているこの企画。今回はM・ベンツSLK(旧型)をご紹介したいと思います。オープンカーはなかなか値落ちしにくいのですが、さすがにデビューから13年(1997年登場)経ち、100万円以下で十分探せるようになりました。また、それだけ古くなってもなお魅力が色あせないのは、M・ベンツで、しかも2シーターオープンゆえでしょう。

登場した頃は、ちょうどマツダ ユーノス・ロードスターが(欧米ではMX-5という名称で)コンパクトオープン2シーター旋風を巻き起こしていました。ロードスターを追って、SLKのほかにBMW Z3、ポルシェ ボクスター、フィアット バルケッタなどが参入して市場が一気に活性化していった頃です。

そんな競合ひしめく中で、SLKはライバルたちより一歩リードするため、バリオルーフと呼ばれる電動格納式ハードルーフを備えました。これにより、ルーフを閉めるとクーペのようになるのですが、その狙いは成功し、BMWはZ3の後継Z4の2代目(現行モデル)から電動格納式ハードルーフに変更しました。また本家であるマツダもロードスターの3代目(現行モデル)に、電動格納式ハードルーフを備えるバージョンを用意しています。このように、今ではオープンカーで幌を備えるほうが希少になってきています。そういう意味で、時代を正確に見抜いた装備を13年も前のこの車は備えていたのです。

M・ベンツSLK  インパネ
ハンドル位置は左右両方とも設定されています。サイドエアバッグのほかにASRというM・ベンツのトラクションコントロールを備えるなど安全装備には抜かりありません。また、BOSEサウンドシステムが標準装備という贅沢さもM・ベンツならでは!?
1997年2月のデビュー時には2.3L直4スーパーチャージャーエンジンを搭載した230コンプレッサーのみでした(新車時価格は490万円)。3.2L V6エンジンを搭載した320が追加されたのは、2000年11月のマイナーチェンジ時のことです(新車時価格は610万円)。では中古車は現在どうなっているかというと、100万円以下で買えるのはやはり230コンプレッサーがほとんどとなります。320は、原稿執筆時点では95万円(2000年式/5.1万km/修復歴なし)が最安値でした。

そもそも230コンプレッサーが全体の90%以上の台数を占めていますし、事実2.3L直4スーパーチャージャーで十分事足ります。それにロードスターのフォロアーとはいえ、M・ベンツが作るとなったら、峠を攻めてどうのこうの……という類の車ではなくなるのは、いわずもがな。むしろ安心してゆったりと。そもそもオープンカーは、これからの暖かい季節が一番楽しめる車なのですから。

そんな毎日の見慣れた風景を、優雅に楽しく変えてくれる車が、100万円で選び放題。SLKの魅力を次ページでさらに見ていきましょう。
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