意外と難しい100万円のクルマ選び
イプサム。堂々のミニバン1位。とはいえ、100万円のクルマ選びは熟考を要します |
先日もカーセンサーで「100万円本命モデル頂上決戦」という特集を組みました。カーセンサーOBでもある自動車評論家・西川淳さんが選んだ20台の中から、ボディタイプ別に評論家3名+私の計4名がおすすめする1台を決めるという内容。いろいろな視点から、おすすめ100万円カーを選んでいます。今回は、カーセンサーを見逃した方のために私の私見を交えたダイジェスト版をお送りいたしましょう。
新しいほど出来はいいが、古いほど大きい!?
まずはミニバン部門。今やひとむかし前のセダンの役割を担っていますね。実用から遊びまでオールマイティにこなしてくれます。そんなミニバンの進化は日進月歩。最新のステップワゴンに2日間ほど乗る機会があったのですが、高速を走っても山坂道を走ってもセダンとさして変わらない走りに驚きました。とはいえ、100万円で選ぶとなるとひと世代前のモデルが中心。西川さんが選んできたのは旧型日産エルグランド(平成12年式 3.3ハイウェイスター)、旧型ホンダオデッセイ(平成12年式 2.3M)、絶版になった日産バサラ(平成12年式 3.0Xツーリング)、現行トヨタイプサム(平成14年式 2.4i)、現行ホンダストリーム(平成14年式 1.7L)の5台。このラインナップを見て「イプサム?」と思った人はなかなかの相場通。
イプサムは修復歴ありなので、この値段なのです。クルマ自体の出来はやはり設計年次の新しいイプサムやストリームが優れています。特にイプサムの足回りは最新のステップワゴンと比べても遜色がないのでは、と思いました。いっぽうでエルグランドやバサラは走りに関しては旧世代だなぁ、と感じます。過大なロールやフラットさに欠ける乗り心地は、セダンに乗りなれた人には厳しいレベル。
ただエルグランドの押し出しの強いスタイリングや、1クラス上の室内空間と豪華装備、余裕のあるV6エンジンなどは大きな魅力です。新車時価格はイプサムの1.5倍のクルマですからね。同様にバサラも床の高さに古さを感じるものの、アメリカっぽいスタイリングやV6エンジンは個性的で素敵です。旧型オデッセイはイプサムと比べると少々歩が悪いけど、ミニバンナンバーワンと言われた走りは依然健在。修復歴車でないと100万円以下が見当たらないイプサムより割安感もあります。どうです、みなさん難しいでしょ?
今回の企画ではイプサムを総合力から1位に選びましたが、審査員の間でエルグランドも人気がありました。中古車屋さんでイプサムの横に並んでいたら、絶対こっちが立派に見えるという意見はたしかに一理あります。個人的にはストリームがいいかな、と思いました。しかし、それは3列シートミニバンとしてではなく、いざとなれば7人乗れるステーションワゴンとしてなのですが。
今回はミニバンのケースをご紹介しましたが、次回はセダン。次回の記事を読んでいただければ、「ミニバンは道具、セダンは趣味」ということが実感できると思います。
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