輸入車は、メーカーが日本での販売代理店として認定した会社を経由して輸入・販売される正規輸入車(ディーラー車とも言います)と、一般の販売店が海外で買い付けてそれを日本に持ち込んだ並行輸入車とに大別されます。一般的に正規輸入車の方が好まれる傾向にあり、相対的に並行輸入車は割安に流通していますが、では実際に購入・所有する上で両者にはどんな差があるのか。自らが並行輸入車を中古で購入した感想をリポートします。
知人から話をもらい、VWニュービートルを購入しました(こういう仕事をしているにもかかわらず販売店から購入しなくてごめんなさい)。初度登録は2001年、走行距離1.5万キロ、色はシルバー、本革シートにサンルーフ付、左ハンドルのターボです。
輸入車を所有するのはこれで3台目ですが並行輸入車は初めて。「ま、並行輸入車って言っても、作っているのは同じ会社だし、日本仕様と大差ないだろ」と思っていました、正直なところ。当初は。
ですが、車検やメンテナンスで一通りのことを経験した結果、それまで知らなかったことを幾つか学びました。大きくは以下の6項目に集約できます。
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では、そう感じるに至った経緯を記してゆきます。
まず、このニュービートル、譲り受けた時点で車検が切れていたため、名義変更(名変)の前にまずは車検を通す必要があったのですが、ここで問題発覚。スピードメーカーが動いていないのです。これでは車検を通りません。
早速フォルクスワーゲンのディーラーに整備をお願いしようとしましたが、ここで最初のハードルです。ディーラーによって差はありますが、並行輸入車の整備を受けてくれないディーラーって結構多いのですね。理由は簡単で「日本向け以外の仕様だと、コンピューターをはじめとする各種部品に対応できない場合があるから」。
そこでまあ、なんとかお願いできる整備工場を探したのですが、今度は「メーター交換が必要だが、本国仕様のメーターは入手できない。できても返品不可なので、万が一不具合があっても代金が発生する。かといって日本仕様のメーターがきちんと動く保証もない。さて、どうします?」
幸運にも日本仕様のメーターでも大丈夫そうなことが確認でき、コンピューターの信号をアメリカ仕様に変更することで対応できましたが、最悪の場合は買ったばかりのクルマが巨大なゴミになるところでした。
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