「5.自賠責保険料」
いわゆる強制保険の保険料ですね。新規に車検を取る場合は純粋に費用が発生するのですが、車検が残っているクルマの場合、本来的にはクルマの価格に含まれているべきです。が、その場合でも“自賠責保険未経過相当額”と称して請求する販売店が多いですね。この場合は厳密には保険料ではないので消費税もかかります。販売店の理屈としては「自賠責保険を解約して前所有者に返金するべきところを新所有者が使うんだから負担するのが当然」ってことのようですが、事実上、前所有者は保険をつけたままであることを前提にクルマを売却していますから、説得力は低いですよね。でも大部分の販売店で徴収しているのが現実です。
「6.重量税」
重いものには税金がかかるんです(マジ。故・田中角栄さんが生み出した税金です)。ただ、車検のときに次の車検時までの分を一括で前納しますから、車検を新規で取得する場合以外は不要。これは上の自賠責保険料と異なり、車検残があるクルマから徴収することは公取協により禁じられています。
「7.車検整備費用」
読んで字のごとく、車検を通すのに必要な整備をするための費用です。ただ、最近の制度下ではほとんど整備をしなくても車検は通りますから、実際にどういった内容の整備がされるかについては販売店によく確認しましょう。また、「検2年付き」と表記されている中古車でこの費用を取るのは反則。しばしば「ウチの店では取るんだ」と主張する販売店がありますが、公取協で禁じています。もしこんな販売店に出くわしたら、そこでクルマを買うのはやめましょう。
「8.車検代行費用」
単に“車検費用”とされることもあるようですが、「2.登録費用」と同様、クルマを陸運局に持ち込んで書類を用意し、車両検査ラインを通すための手数料です。1500円前後の検査ライン使用料は法定費用として消費税の課税対象外になります。
以上が各費用の「超正論的根拠」ですが、問題は、気に入ったクルマの見積りを取って「アレ、この費用ってなんか変だな?」と思ったときにどうするかなんですよね。正直言って販売店にとって諸費用が利益の一端を担っていることは間違いなく、また登録費用などは実際に人件費もかかるので一概に高い安いを論じることはできないので、最終的には見積もり以外の接客姿勢などをトータルで判断して購入するか否かを決断してもらいたいと思いますが、個人的にはクリーンな諸費用で商売しているお店を応援したいです。
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