中古車購入にまつわるユーザーと販売店とのトラブルで最も多いのは契約、中でもキャンセルにまつわること。本項はこの「契約」に関するお話です。
消費者を守るため、わが国ではクーリングオフという「契約から1週間以内だったら、購入者の側から無条件で契約を解除できる」というルールが制定されています。ですが、クルマの販売はこの制度の対象外なんですね。なぜかというと「高い買い物なんだから、契約する側にはそれなりに事前の検討があるはずだ」という解釈によります。実際、クルマの契約書にサインする前にはお店の人が購入者に向かって契約書を読み上げる決まりになっています。
このことからも契約書にサインするということの重要性が伺えるかと思いますが、以下にもう少し具体的な契約時の注意点を挙げてみましょう。

・「とりあえずサイン」はしない
ユーザーが最も気をつけるべきがこれ。「他の誰かに買われてしまったらどうしよう」という気持ちがついサインをさせるのでしょうが、売れたら縁がなかったと割り切るべし。手付金を払って、3分後に気が変わってもそのお金は戻ってこないと肝に銘じましょう。

・口約束は文章で記入する
展示場に並べられている中古車は整備やクリーニングを受けていないことが多いです。このため「納車までには~を直す」という約束がしばしば交わされますが、これらは全て契約書に記してもらいましょう。「修復歴はない」という説明もその旨一筆もらえば安心。

・費用に関する疑問は事前に解消する
見積りに意味が分からない費用があったらその場で確認。「クルマ自体は気に入っているので、販売店の人の機嫌を損ねるのも嫌だし」と遠慮する人も多いですが、そのままにして納車を迎えるとしこりが残り、後々の販売店との関係にはむしろ悪影響を与えますよ。

・保証範囲もしっかり確認
保証付きのクルマなら(というか、原則的に保証付きのクルマを探すことをお勧めしますが)保証の期限(何ヵ月または何kmまでか)と範囲(どのパーツまでか)を必ず確認。「具合が悪くなったら何とかするよ」といわれても何の慰めにもなりません。

・キャンセルには費用がかかると覚悟する
もしそれでもキャンセルする必要が生じた場合、手付金が戻らないのはもちろん、契約から数日経過していてすでに整備が進んでいた場合などは発生した実費を請求される場合があります。その妥当性には議論がありますが、最低限そのことを理解しておきましょう。

実は契約書がなくても約束は有効だし(ただし証拠がないのでホゴにされても訴えようがない)、逆にもし契約がきちんと履行されなかった場合には、いくら契約書があっても裁判でも起こさないと最終的にはなんともならないんですが、とはいえ書面に残っているものがあるとないでは大違い。いまだ自己責任の浸透しないこの国ではありますが、くれぐれも自己の責任において慎重な契約を心がけてください。
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