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2代目になった日産の上級ミニバンの買い得度 新型プレサージュの買い得感は?(2ページ目)

日産が上級ミニバン市場で巻き返しを図る2代目プレサージュが発売された。大きなボディのミニバンを受け入れられるかどうかが前提になるが、2500ccエンジンを搭載したベースモデルは割安だ。

執筆者:松下 宏

駐車スペースに問題がなく、取り回しの悪さが気にならないという人ならプレサージュを選ぶことができる。ボディの大きさもあって室内空間はかなり大きめで、3列目のシートにも大人が座れるだけの空間がある。ボディが大きいのだから当然といえば当然だが、ミニバンらしい広さを体感できるクルマであるのは間違いない。

プレサージュのバリエーション構成は、まず2500ccエンジンの搭載車がX、V、ハイウェースターの3グレード、それに3500ccエンジンの搭載車がXのみの設定で、合計で4グレードから選ぶことになる。基本的には2500ccエンジンの搭載車から選ぶことになるだろう。3500cc車は不必要に大きいだけだ。日本の感覚からすれば、上級車のエンジンも3000ccまでというのが一般的で、それを超えるようなエンジンは例外的なものといってもいい。アメリカ向けに3500ccエンジンを主力にしているために日本向けにもこのエンジンを搭載したワケだが、まああまりほめられた設定とはいえない。プレサージュでは2500ccエンジンの搭載車を選べば十分である。

ベースグレードのVの価格は213万円に設定されており、価格設定自体は相当に安いといえる。これは2500cc車というよりも2000cc車の価格である。2500ccのミニバンと思えば、これほど安いモデルはないと言ってもいい。ただ、現在ではたいていの人がカーナビを装着する。それを考えるとこの価格では手に入らない。Gパッケージというセットオプションが用意されているが、その価格が実に49万円もする。これにはカーウイングス対応テレビ/DVDナビゲーションシステム、ステアリングスイッチ、バックビューモニター、サイドブラインドモニター、リモコンオートスライドドア、インテリジェントキー、イモビライザーがセットになってこの価格だから、これらの装備を合計すればまあ納得できるところだが、それでも価格は262万円になる。ベースモデルとの価格差があまりにも大きいと思う。これならカーナビ付きのグレードを別に設定したほうが良かったのではないか。競合車を見ると、グランディスのカーナビ付きグレードであるエレガンス-Xは272万円。それに比べると10万円安く買える計算である。

ほかに装着したいオプションとしては、運転席&助手席のサイドSRSエアバッグとフロントシートからサードシートまでのカーテンシールドエアバッグがシステムのセットが9万円の設定。安全装備は標準にするのが基本だと思うが、サイドエアバッグはまだ多くのメーカーが国内向けにはオプション設定にする例が多い。安全装備についていえば、横滑り防止装置のVDCについては設定がないのは不満。アメリカではクエストの最上級グレードに標準装備されている。いずれにしても、VDCは早期に全車標準にすべき装備である。

ベンチシート感覚で使用することもできるセカンドセパレートシート


また通常はセパレートのキャプテンシートのようにして使えるセカンドシートが、横方向にスライドさせるとベンチシート風になるため、合計で8人の乗車定員が設定されているが、ヘッドレストや3点式シートベルトは6人分しか用意されていない。実質的には6人乗りのクルマと考える必要がある。日本のミニバンでは人数分のヘッドレストや3点式シートベルトが用意されないのが当たり前のようになっているが、これでは安全軽視と言われても仕方がない。
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