シトロエン/シトロエン

ロードインプレッション ピカソはセダンかミニバンか?(3ページ目)

1999年末にフランスで発表されてから4年あまり。シトロエン・クサラ・ピカソがついに上陸した。はたしてこのクルマはミニバンなのか、それとも……。

執筆者:森口 将之



ボディは同じ2リッターエンジンを積むハッチバックより180kg重いけれど、加速は不満なし。体感的には同じ2リッターのC5に近い。クルマの性格を考えれば、これでじゅうぶんだ。ハンドリングはさすがクサラ一族。ロールはグラッといくタイプでないので不安がないし、ステアリングは正確で、フロントのグリップはしっかりしている。おかげで背が高いのに安心してペースを上げられた。



うれしかったのは乗り心地。背が高いクルマはベース車より固くなるのがふつうなのに、ピカソはタイヤサイズが185/65R15と、ハッチバックの195/55R15より細く高いおかげで、低速での当たりはむしろマイルドだ。そして速度を上げると、今度はロングホイールベースならではのゆったりした揺れでショックをいなしてくれる。これを広く明るい空間で味わうのだから、とにかくいやされる。



いまのシトロエンで、いちばんシトロエンらしいと思った。背が高いのにミニバンにしないというコンセプトは独創的だし、デザインはエレガントで、装備は遊び心いっぱいで、乗り心地は優しい。なによりもガラス張りのあの広い空間が、ほんとうの豊かさや心地よさを教えてくれる。シトロエンがこのクルマをピカソと名づけた理由が、なんとなくわかってきた。

  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます