リアの延長分がそれほど長くないため、ラゲッジスペースの広さはハッチバックより少し奥行きが増えたかなという程度。かつての306ハッチバックに近いと思った。でも使い勝手ではそれを上回る。リアゲートはフロアの高さから開くし、フロアにはネット、サイドにはネットとゴムベルトが備わっているので、荷物をきちんと固定できるからだ。そしてこのクラスでは異例のガラスハッチは、狭い場所に駐車しても荷物の出し入れができるという点で、日本のユーザーにありがたい。
ボディは同じグレードのハッチバック3ドアより60~70kg重い。加速はその分おっとりとしているが、1.6リッターとATの組み合わせでも、流れに乗って走るならアクセルを床まで踏むことはまったくなかった。S16はさすがに元気で、回転を2000rpm以上にキープしていれば、どんな状況でも強力なダッシュが手に入る。スポーツワゴンといっていい小気味よさが楽しかった。エンジン音やロードノイズは最近登場したライバルと比べれば大きいが、こちらはXSのほうがやや静かに感じられた。