エンジンはガソリン、ディーゼルともに3タイプ。ガソリンは日産製V型6気筒3.5リッターを頂点に、直列4気筒2リッターの自然吸気/ターボというラインナップ。ディーゼルはすべてdCi(コモンレール式ディーゼルターボ)で、いすゞ製V6 3.0リッター、4気筒2.2リッター/1.9リッターとなっている。トランスミッションは6速MTと5速AT。ATはフリップシフトと呼ばれるマニュアルモード付きだ。
サスペンションはフロントがマクファーソンストラット、リアがトーションビームにトレーリングアームとパナールロッドを組み合わせたもの。形式的には現行型に近いが、ロードノイズやバイブレーションを減らすための改良が図られたほか、デュアルレート式ダンパーを採用してロールを25%減らすなど、ミニバン世界一といっていいハンドリングにさらに磨きをかけているようだ。
パワーステアリングは上級グレードではバリアブルアシスト式で、ブレーキにはエマージェンシーブレーキアシストを内蔵。ESP(電子制御車体制御装置)には、コーナーで内側2輪にブレーキをかけるアンダーステアコントロールロジックが組み込まれている。パーキングブレーキはヴェル・サティスと同じオートマチック式。ホイールはグレードによって16/17/18インチを使い分け、タイヤにはルノー独自の空気圧感知システムが装着される。
グレードはオーセンティック、エクスプレッション、プリヴィレージュ、イニシアルの4つ。価格はエスパス2.0オーセンティックの2万6350ユーロから、グラン・エスパス3.0dCiイニシアルの4万8500ユーロまでとなっている。決して安くはないが、現行型は2.0オーセンティックで2万5900ユーロだから、値上げは最小限といえるだろう。
エスパスは今まで日本に正規輸入されたことがなかった。普通のミニバンとして売ったら国産車に太刀打ちできないからだろう。でもエスパスはヨーロッパでは、レンジローバーに近いステイタスを備えたクルマでもある。インポーターがそういったイメージをうまく伝えれば、ミニバンに見向きもしなかったユーザーを取りこめるのではないかと思うのだ。その意味でも、まもなく輸入が始まるアヴァンタイムがどのように受け入れられるか、とても興味がある。