エリップスのボディは5ドアハッチバックで、サイズは3.9m の全長だけが明らかになっている。優しいラインを用いながら安定感を感じさせるデザインは、トゥインゴやルーテシアにも通じるもの。ルノーはコンセプトカーで見せたデザイン手法を後に市販車に取り入れることを得意としているが、このエリップスにも次期コンパクトカーのヒントが隠されているのかもしれない。
ボディ構造でポイントなのは右のリアドアで、センターピラーレスでありながら、通常の開き方だけでなく逆方向にも開くことができる。つまり観音開きにもなるわけで、キャビンへのアクセスが楽になっているという。ボディカラーは、フロントとリアのセクションはブルーがかったアーモンド色、ドアはウルトラライトブルー。淡い色の組み合わせがフランスらしい。
インテリアはミモザ色がベース。スケルトンのルーフパネルから入ってくる光がリラックスした雰囲気を与えてくれそうだ。ダッシュボードはシンプルで、センターにある2つのディスプレイとマルチファンクション・コントロールパネルが目立つ。片方のディスプレイにはドライバーのための運転情報、もう片方にはパッセンジャー向けの情報が表示されるという。メインテナンスマニュアルやアドレスブックを表示させることもできるそうだ。
エアコン、ラジオ、GPSナビゲーションシステムはコントロールパネルで操作する。コンセプトカー「タリスマン」で最初に提案され、新型メガーヌにも取り入れられた「タッチデザイン」が採用された操作系は、直感的で快適な使い心地を実現。シートは幅を狭めてキャビン内の空間を最大限に活用するとともに、クッションには「メモリーフォーム」を採用し、乗員の体型にフィットさせることで快適性を高めているとのことだ。このシートには電動リクライニング機能も付いていて、人間工学的に正しい姿勢を保ったままシートを倒すことができるという。
エリップスは環境にも優しい。クルマとしてのライフサイクルが終わったときに、部品を取り外しやすく、リサイクルしやすいように設計されている。ボンネット、フェンダー、リアエンドにはポリプロピレンのリサイクル品で、防音材は衣料から作られた植物繊維や、包装材/プラスティックボトルから作られたポリエステル繊維などを用いているとのことだ。