406のコーナリングはもともとレベルが高かったが、スポーツはタイヤのグリップが増したことでさらにポテンシャルがアップしている。公道では前輪が鳴くことはめったにないし、そのような状況で急にアクセルを閉じたりブレーキをかけたりしても、106や206のようにリアが滑るようなことはほとんどない。ブレーキの効きも満足できるものだった。軽快な動きを安心して楽しむことができるのだ。
406スポーツはスペックで判断すると、スポーツセダンというよりも本国仕様の406という感じがする。しかしドライブしてみると、4ドアのスポーツカーといっていいほど楽しさにあふれていた。それだけ406の実力が高いということだろう。それでいて他の406と同じように、尖ったところがまったくない。いろいろな意味で貴重な存在なのだ。こういうクルマをあえて輸入したプジョー・ジャポンに感謝したい。