プジョー607は1999年9月のフランクフルトショーでデビューした。車名の3桁数字の最初に6がくるのはフラッグシップの証で、最初に登場したのは1934年の601。戦後は75年発表の604、89年デビューの605がその座を守ってきた。今回の607は605の後継車ということになる。ルノーやシトロエンがこのクラスでもハッチバックを採用している中、607は3ボックスの4ドアセダンであり、604以来の特徴が受け継がれている。
日本に導入されるのは、いずれも3リッターV型6気筒DOHC24バルブのガソリンエンジンを搭載した、607コンフォートと607スポーツの2モデル。トランスミッションはどちらも4速ATとなる。コンフォートは右ハンドルのみ、スポーツは右/左ハンドルが選択できる。ボディカラーは標準色としてデルフトブルー、マーキュリーグレー、ドロミテベージュの3色、受注生産でオークランドグリーン、バルカンレッド、ビアンカホワイト、サマルカンドブルー、ピアナブルーの5色を設定している。
コンフォートは内装にレザーシート/トリムとウッドパネルを配し、カーナビゲーションシステムを搭載しており、プジョーのトップグレードに相応しい高級な仕様となっている。スポーツはファブリックシートを用い、外観ではアロイホイールのサイズが16インチから17インチにサイズアップされる。価格はコンフォートが498万円、スポーツが478万円で、このクラスのヨーロッパ車としては割安だ。
ボディサイズは全長4875mm、全幅1830mm、全高1460mm、ホイールベース2800mmで、ホイールベースは同じだが、長さは150mm、幅は30mm、高さは35mmそれぞれ拡大されている。フロントマスクは新世代プジョーの象徴であるシャープに切れ上がったヘッドランプが特徴。一方、強い傾斜のフロントスクリーンからルーフライン、テールエンドまで続く流れるようなラインは、ダイナミックかつエレガントな印象だ。
モノコック構造のボディは、安全性を犠牲にせず車重軽減を実現した。ホワイトボディの総重量はわずか285kgで、ボンネットには軽量アルミ合金を使用、スティール製と比べて7kgも軽くなっている。この結果車両重量は1610kgとなった。さらに鋼板の95%は電解亜鉛メッキによって保護されていて、錆の穴あきに対して12年間の保証が付けられている。