現代的になった乗り味
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ところで、従来の4速ATのフィーリングを、いまさらあまり述べてもしょうがないところですが、やはり時代遅れの印象は拭えなかったと感じています。ATが4速だからダメだったというわけではなく、AT自体の出来がハード&ソフトの両面で前時代的になっていたわけですが、それが「4速」というだけで、さらに実際の性能以上にネガティブなイメージとして捉えられていたフシもあったように思います。
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そして今回、6速ATを得た308CCをドライブして、やっぱりこうでなくちゃと思った次第。変速ショックは小さく、スムーズかつ瞬時にシフトチェンジをこなしつつ、ロックアップ領域が増えたおかげで、右足の動きに対して得られる駆動力もよりダイレクトな印象になっています。「6速」になったという以前に、ATそのもののポテンシャルが大きく上がっています。
そして、欧州車によくある、速度が低くなると、自動的にシフトダウンを行なう制御も入っているし、上り勾配でも、従来はなかなかシフトダウンしなかったり、シフトダウンするとエンジン回転数が一気に上がったりしたところですが、ここで細分化されたギア比が効いてきます。一気に現代的になった乗り味を手に入れたといえるでしょう。
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