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クーペに劣る部分なしZロードスターの走り(3ページ目)

フェアレディZのモデルチェンジから1年たらず、電動ソフトトップを備えたロードスターがラインアップに加わった。クーペと遜色ない走りを追求したと開発陣は語るが、はたしてその仕上がりは?

岡本 幸一郎

執筆者:岡本 幸一郎

車ガイド

開放感が高いが風の巻き込みは小さい

車体は、Z33ロードスターから29kg軽量化しながら、ねじり剛性を40%向上したという
その点、ATのほうは好印象。ロックアップ領域が広く、ダイレクト感があり、VVELの苦手とする細かい部分をトルコンが上手く吸収している印象で、トータルとして、右足の動きと実際の加速感が、かなりリニアに仕上がっています。数ある世界のATの中でも屈指の完成度といえるでしょう。

ハイバックレストタイプになったシートに空調システムを内蔵し、身体の接地面を一定の温度に保つ。安全面では新たにSRSドアマウントカーテンエアバッグを採用したのも特徴
肝心の、オープン化による開放感も非常に高いことも特長。風の巻き込みを抑えるために、フロントウインドシールドを大きく長くしているクルマも少なくないのですが、そうすると、オープンカーの醍醐味である開放感が損なわれてしまいます。

オープンにすると格納されたソフトトップが完全に隠れて、ポルシェのスピードスターふうに左右2コブあるストレージリッドでカバーされるところがZロードスターの場合、高い開放感を身につけたまま、風の巻き込みが少なくなっているのです。これは、リアのウインドディフレクターを最適配置するなどした努力の賜物というわけです。

反面、スペース確保のトレードオフとして、トランクフードの地上高はかなり高くなっているため、トップを閉じたときの後方視界の悪さはちょっと気になります。速いクルマなので、後ろから迫りくる白黒カラーのクルマには、くれぐれも気をつけて……(笑)
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