ドライビングプレジャーあり

新開発の減衰力可変式ショックアブソーバー、エアスプリングやスタビライザーを最適にチューニングしたサスペンションを搭載

ところがこのクルマは、攻めた走りでも、基本的にアンダーステアではありますが、コーナー内輪にも面圧がかかり、4輪で曲がる感覚が増しています。この味はけっこう好みです。

ロールも適度に抑えられているのですが、多少のコツコツ感はあるものの、フラットライド感も増し、乗り心地をあまり悪化させることなくこの味を出しているところがいい。

ドライビングの心得のある人であれば、やっぱり自分で「操る楽しさ」を感じながら運転したいもの。通常のLSは、その感覚が希薄で、あるところからまったく曲がらなくなり、「逃げる」。そしていざとなるとVSCで曲げているという印象でした。それがこのクルマは、基本性能としてだいぶ「曲がる」、そして踏ん張るようになっています。

乗り心地のフラット感が増し、ドイツ車に一歩近づいた印象。ちなみにレクサスでは、同マイナーチェンジを機に3万通り以上の中からインテリア各部の素材やカラーのコーディネートを選べる「L-Select」を導入した

こうして、バージョンSZは、これまでLSとは無縁だった「ドライビングプレジャー」をもたらしたといえるでしょう。こうした分野を得意としているドイツ製メーカーのクルマにも、少しは近づいたように感じられます。

ハイブリッド一辺倒の時代ではありますが、一方で、走り好きで知られる新社長の就任と時期を同じくして、トヨタはこれまで置き去りにしていた走りへのマインドを蘇らせているようにも見受けられます。それは、東京モーターショーにも出展され、まもなく市販化されるであろうLFAやFT-86や、オーリスへのMTの追加などにも表れています。そしてLSにも、こうしたグレードが設定されたことを頼もしく思う次第です。

「スポーツセダン」というほどではないにせよ、スポーティな雰囲気はそこそこ感じられた
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