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まもなく生産終了、S2000の10年を振り返る

2009年1月27日、ついに6月いっぱいでの生産終了が正式に発表されたS2000。9000rpm回せるVTEC、オープンカーらしからぬ高剛性ボディ、VGSの追加、2.2L化などなど、話題に事欠かなかったS2000の半生を振り返る。

岡本 幸一郎

執筆者:岡本 幸一郎

車ガイド

往年の「S」を冠したホンダのオープンスポーツ

写真は2007年10月に追加された「タイプS」。価格399万円

2009年1月末、「Hondaは、リアルオープンスポーツカーとして好評を博してきたS2000の生産を、2009年6月末をもって終了する」というリリースが発表されました。かねてから、そう遠くないうちにこの日が来ることは予想されたことですが、この不況下で、少数販売のスポーツカーの寿命がさらに縮まってしまったような気もして残念なところです……。そこで今回は、S2000の10年+αの歴史をふり返ってみたいと思います。

1995年の東京モーターショーに出品された「SSM」。SSMとはSports Study Modelの意味。その後、1998年9月のホンダ創立50周年の記念式典にて、その半年後に発表される市販モデルとほぼ同じプロトタイプが披露された
S2000というと、1995年の東京モーターショーに出展されたコンセプトカー「SSM」まで話は遡ります。これを初めて見たときは、素直に「カッコイイ!」と思ったものです。長いノーズに低いライト、シャープなスタイルの2シーターオープンスポーツ、ホンダひさびさのFR……これをもとにしたクルマが、もうしばらくすれば市販化されるのかと思うと、胸躍る気持ちになれたものでした。

また、当時はマツダ・ロードスターの影響を受けた世界中のメーカーが、それに追随して続々とオープンカーをリリースした中での、ホンダ流の答えなんだろうとも感じていました。

1999年4月に発表されたS2000の初期モデル。価格338万円~
1999年4月、その2シーターオープンスポーツは、「S2000」という、往年「S」のネーミングを受け継ぎ、晴れてデビューのときを迎えました。前記のSSMのイメージを受け継ぎながらも、ヘッドライトなどに法規対応が図られたスタイリングが、いささか普通っぽくなってしまったことには、ちょっと残念な気もしましたが……。

コクピットに収まると、当時は希少なプッシュスタート式のエンジンスターターに、デジタルのメーター、幅広くセンタートンネルなどが印象的で、いかにも走りそうな雰囲気が伝わってきたものです。

2L直列4気筒DOHC VTECエンジンは、最高出力250ps/8300rpm、最大トルク22.2kgm/7500rpmという、2LクラスのNAエンジンとしては世界トップレベルのスペックを身につけていました。最大許容回転数9000rpmを誇り、青天井に吹け上がっていく感覚は、さすがホンダです。

フットワークも、オープンカーとは思えないほどボディ剛性が高く、シャープでスパルタンな感覚の走りには、非常に印象深いものがありました。

次ページでVGS登場~タイプSまで
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