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新型GT-Rがスカイラインを名乗らない理由(3ページ目)

衝撃的デビューから半年たらずが経過し、オーナーの手元に届きつつある新型GT-R。過熱した報道も一段落したところで、あらためて冷静に検証するとともに、GT-Rがスカイラインを名乗らなかった理由を考えたいと思う。

岡本 幸一郎

執筆者:岡本 幸一郎

車ガイド

高まるフラットライド感

フラットな姿勢を保つことと、タイヤを路面から離れさせないためのセッティングを本気で追求したと思われるドライブフィール

乗り心地は、たとえ「コンフォート」に設定しても一般道ではやや固めに感じられるのですが、やがてその理由がわかってきます。いかにタイヤに路面をホールドさせるかを意識したセッティングが施されているのです。

高速巡航時やワインディングでは、タイヤが路面から離れにくく、またスピードを増すほどにフラットライド感が高まっていく印象。サスペンションチューニングと、徹底した空力性能の追求があいまって、こうした味が実現しているのでしょう。

この感覚は、公道で一般走行することを前提としたスカイラインとは異質のものです。ただし、快適性という点に限っていうと、GT-Rはどうしても気になる点はいくつもあることも事実です。それは性能の追求とトレードオフの関係にあるので、いたしかたない部分といえるでしょう。

タイヤサイズは、フロント255/40ZR20、リア285/35ZR20。フロント6ポッド、リア4ポッドのブレンボ製キャリパーによる超高性能ブレーキが与えられる。ディスクローター径は前後ともφ380mm

コーナリングでは、ほとんどロールする感覚がなく、それゆえどこまで攻めると限界なのかを知らせる自然なフィーリングには欠ける面もあるのですが、どんな状態でも4輪がちゃんと接地している感覚があります。極めて高いトラクション性能を持ち合わせています。また、タイヤ自体の性能も相当に高いと思われます。

箱根のワインディングをそれなりに攻めても、まだまだ先があることを感じさせられました。エンジンが速くても、シャシー性能が追いついていないと、せっかくのパワーは無駄になります。安心して走ることができず、攻めても楽しくないものです。しかしGT-Rは、圧倒的に高い限界性能の、はるか内側で走っている印象で、これほどの高性能車ながら、まったく不安を感じさせることがないのです。

フロントに本革・パールスエードのコンビシートを設定。スポーツ走行にも対応するホールド性が与えられているが、北米や欧州市場への導入も視野に入れてか、やや大柄なつくり


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