○走行性能
・サスペンションダンパーオイルシール構造の変更、各部ブッシュ類の硬度ダウン、リアサスペンションバンプストローク拡大などにより、しなやかにストロークし、しっかり路面を捉え続ける足回りを実現。
・左右対称巻きスプリングの採用(フロント)により直進安定性とスタビリティーを向上。
・サスペンション取り付け部を中心にボディーを高剛性化(フロントパフォーマンスロッドパイプの肉厚アップ、フロントストラットタワーバーのパイプ肉厚アップや取り付け点剛性のアップ、リアダンパーガセットの板厚アップなど)。
・ステアリングコラムの剛性アップなどにより、操作性、応答性に優れたステアリングフィールを実現。
・ブレーキペダル剛性の向上(マスターシリンダー径のアップ、ペダルブラケットの剛性アップなど)により、少ない踏力でもしっかり効くコントロール性のよいブレーキ特性を実現。
・軽量吸音材の最適配置や風切り音の低減などにより、静粛性を大幅に向上するとともに、エンジン音などスポーツカーならではの心地よい音が楽しめるよう、サウンドチューニングを実施。これに加えて、試乗会場でいただいた資料からの情報も付け加えておこう。
<以下資料から>
・フロントロアアームブッシュのバネレート25%アップ
・リアイニシャルキャンバーをマイナス1°からマイナス1°10′に。
・リアサスフリクション30%ダウン
・リア高バネレートスプリング7%アップ
・ボディフロント横剛性22%アップ
・ボディリア縦剛性8.5%アップ
タイプSに比べると、変更・改良点は少ないが、実際に走らせるとその違いに驚く。一言で言えば、リアのサスペンション我欲動くようになったのが印象的で、リアがよく動くようになったため、相対的にフロントがこれまでのモデル以上に切れ味よくインをつく。
つまりコーナリング時の姿勢(のようなもの)がこれまでとは全然違う。今まではどちらかといえば、フロントをねじ伏せるような感じで操作していたが、新型はスムーズに操作ができるようになった。またトルクステアも軽減されており、ステアリングフィールも以前のような固着した感覚のあるものではなく、全体的に滑らかにステアリングホイールが回る感じとしっとり感がある。
その一方でスタビリティは落ちておらず、コーナリング速度はきわめて速い。もちろんこれまでもコーナリングは速かったが、そこには欠けている情報があったのも事実。特に限界付近でのリアの動きには、慎重になる必要があった。それが新型ではリアの動きがよく分かり、かつ限界を超えても緩やかにスライドしていくタイヤの様まで把握することができるようになったのである。
だからコーナーでブレーキを残したり、スロットルを抜いたりして旋回させていくと、これまでよりも積極的に姿勢が変化していくように感じられる。FF車はリアサスペンションが命といわれるが、まさにそれを具現化したのが今回のタイプRといえる。