従来のisからタイプSへの変更・改良点は実に多い。あまりにも膨大な内容なので、まずは以下に広報資料から「走行性能」部分のコピーを添付する。
<広報資料>
○ 走行性能
・サスペンションジオメトリー専用セッティング、重心高の7mmダウン、各部ブッシュ類の硬度ダウン、リアサスペンションバンプストローク拡大などにより、しなやかにストロークし、しっかり路面を捉え続ける足回りを実現。またキャスタートレール量アップ、左右対称巻きスプリングの採用(フロント)などにより、高い直進安定性を生み出している。
・サスペンション取り付け部を中心にボディーを高剛性化(フロントパフォーマンスロッドパイプの肉厚アップ、フロントストラットタワーバーのパイプ肉厚アップや取り付け点剛性のアップ、リアダンパーガセットの板厚アップなど)。
・ステアリングコラムの剛性アップと低フリクション化、ステアリングレシオのクイック化、ステアリングギアボックスの低フリクション化などにより、操作性、応答性に優れたステアリングフィールを実現。
・iSに対し2インチアップした215/45R17サイズの大径タイヤと、TYPE S専用17インチアルミホイールを採用。
・iSに対し2インチアップしたフロント16インチベンチレーテッドディスクブレーキを採用。またブレーキペダル剛性の向上(マスターシリンダー径のアップ、ペダルブラケットの剛性アップなど)、ペダルレシオ変更による無効ストロークの低減などにより、踏んだ時の剛性感を実現するとともに、少ない踏力でもしっかり効くコントロール性のよいブレーキ特性を実現。
・5MTの細部にわたるセッティング変更により、スムーズで節度感のあるシフトフィールを実現。
・
軽量吸音材の最適配置や風切り音の低減などにより、静粛性を大幅に向上するとともに、エンジン音などスポーツカーならではの心地よい音が楽しめるよう、サウンドチューニングを実施。
少し補足もしておこう。ただしこれも試乗会でもらった資料によるものを羅列しただけなので、興味のある方は見てください。
<以下資料から>
まずハンドリングに関する部分では、エンジン・マウント剛性を29%アップし、ステアリングギアレシオを5%クイックに。フロントのイニシャルキャンバーは0°からマイナス30′に。一方リアのイニシャルキャンバーもマイナス45′からマイナス1°となっている。またフロントには従来よりも10%高バネレートのスプリングを、リアでも10%高バネレートのスタビライザーを与えている。
そしてボディはフロントにストラットバー、リアにガセットを入れることで、ボディフロント横剛性で22%アップし、ボディリア縦剛性では8.5%アップを実現した。また重心高を従来に比べ7mmダウンしたこともトピック。そしてタイプRと同じ215/45R17タイヤを与えた。
次にステアリングフィールに関する部分では、新ジオメトリーフロントサスペンションを構築。これはキャスタートレールを20mmアップ。また2インチアップしたタイヤとあわせコーナリングパワーも14%アップした。さらにステアリングでは低フリクションコラム/ギアボックスを採用することで、フリクションを50%もダウン。またコラム剛性を45%アップした他、パフォーマンスロッドの剛性も35%アップした。
さらにライド&コンフォートに関しては、フロントにコンプライアンスアームを与え、ストロークを4mmアップとバネレート25%ダウン。リアではサスフリクションを40%ダウンしホイールストロークを38%アップ。ダンパー微低速域減衰を64%ダウン。さらにボディのフロント縦剛性を11%アップ、ボディリア縦剛性を8.5%アップするなどしてライド&コンフォートに寄与させた。もちろんこの部分ではシートも重要で、クッションストローク23%アップ、フィット感向上のためにダブルラッセル表皮やクッション角度のアップも行った。さらにクッション振動伝達低減を実現するため、高密度ウレタンを採用している。
そしてブレーキではペダルブラケットを閉断面化して剛性を50%アップ。マスターパワー倍力15%アップ、マスターシリンダーサイズ7%アップ、ペダルレシオ5%ダウンなどを行った。
といった具合で、その変更・改良点は走行性能に関する部分だけでこれだけのボリュームがある。いや実際にはもっとあるだろう。あえて広報資料のコピーや資料からの情報の羅列を行ったのは、そのボリューム=こだわりを知ってもらいたかったからである。