SUBARU(スバル)/レガシィ

水平対向エンジンがレガシィのブランドを確立した 改めて体感したレガシィの実力1(2ページ目)

サーキットから市街地まで、様々なシチュエーションでのインプレッションを交えながら、改めて体感したレガシィの実力をレポートしたい。PART1ではレガシィが確立したブランド力について解説する。

執筆者:河口 まなぶ

1989年に登場した初代レガシィ
その意味では、ブランド性の構築には、メカニズムの特殊性も確かに要素のひとつではあるが、それと同時に自身が持ち得るメカニズムをいかに独自のものとするためのことを行ったかというのもまた大切な要素のひとつであるといえる。

そう考えると、レガシィが水平対向エンジンとAWDという独自のメカニズムをして、ブランド性を構築してきたかが明白となる。

もちろんその他の要素として、登場当時日本では希有だったワゴンというボディタイプを常にラインナップの中心に据えてきたという経緯もブランド構築の要因のひとつといえるだろう。またその中で、長きにわたって5ナンバーサイズのボディに執着してきたことも要素のひとつであるといえる。

つまり、こうした様々な要素の継続こそが、14年を経てブランドの構築につながった。

しかし、それらの要素の継続だけが、レガシィというブランドの構築の理由ではない。他にも様々な理由があるのだが、もうひとつ非常に大きな理由としてあげられるのが、スバルという自動車メーカーの規模である。

スバルは現在の生産台数でみれば、年間60万台規模の自動車メーカーだ。世界のトップともなれば1社で年間600万台に達するところもあるのだから、規模としてはとても小さな自動車メーカーだといえる。

しかし、この規模の小ささこそがブランド構築の大きな要素となっているのである。スバルは長らく水平対向エンジンやAWDを用いてきた経緯を持つわけだが、果たしてそれは裏を返せば、意志を持って継続してきたというよりも、自身の台所事情を考えた上で、継続せざるを得なかったという意味合いの方が強いのである。

規模が小さな自動車メーカーであるため、モデルがチェンジするごとに新たなメカニズムを興す体力はさすがに持ち合わせていない。そんな状況の中でやれることといえば、これまで培ってきたものを熟成・進化させることで時代に合わせていくしかないのである。

事実、スバルのラインナップを見れば明らかなように、乗用車系は基本的にプラットフォームがひとつしか存在しないのである。インプレッサもフォレスターも、レガシィから多くを受け継いでいるのである。

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