
この辺りはまさにiーVTECの名の通り、インテリジェンスに溢れている。軽量フライホイールの採用により、ドラマチックな部分よりも実践的な吹け上がりの速さ自体を確保しており、レスポンスも上である。旧型も吹け上がりが良く高レスポンスだが、新型のそれはさらにフレキシビリティに溢れる印象がある。また排気量が200cc大きいことや、クラッチのつながりの確かさやスムーズさも相まってドライバビリティは断然上だ。
ではK20A型に、スポーツカーらしい味わいがないかというとそうでもない。サウンドもタイプRに相応しいだけのボリュームとクオリティを持って奏でているし、VTECの切り替わり感がないかわりに、元気の良いNAエンジンならではの伸びやかな回転の上昇がある。そしてこれは他のメーカーのエンジンでは決して味わえない部分でもあるのだ。

シフトのフィーリングを始め、ドライブトレーンの印象をまとめると、旧型は不快な騒音や振動まで全て含めて、良い意味でも悪い意味でもダイレクト感に溢れるクルマだった。これに対し新型は、高いボディ剛性やエンジンそのものの新しさによって、快感の部分だけが洗練されて伝えるクルマだといえる。