サイドウインドーを上げておけば、風の巻き込みは皆無。マークレビンソンのオーディオを堪能しながらドライブすれば、箱根がどこか外国のリゾートのようにさえ思えてくる。そこには何か、違った時間の流れがあるような感じ。高価なラグジュアリーオープンカーは、所有できる人だけに特別な空間を用意してくれる、という風にさえ言える。
いわゆる自動車の評価としては、細かな部分に注文を付けたいところもいくつかあったが、やはり600万円という価格付けからも分かるように、このクルマは購入できるだけの財力を持つ人が気に入ればそれでOKなのだ。だから例えばダイナミック性能に関する志が云々……などというのは野暮だろう。ボクのように「高級」を肌で知らない人間にとっては、ただただ「スゴいっすね」という感じのクルマだった。