電圧値の微妙な読み方でコンディションを探る
例えば、電気が満タンになったバッテリーでは、電圧が12.5~12.7ボルト前後ありますが、ちょっと弱ってくると12.3ボルトとか、さらに上がり気味になってくると11ボルト台やそれ以下に入ってくることもあります。また、エンジンを止めた直後は13ボルト近くなっていることがありますが、これはオルタネーター(発電機)から充電されていたからで、時間が経つと落ち着いてきます
ただし、電気を消費していない時の端子電圧はあくまで目安にしかなりません。充電不足になっているバッテリーでは、単体で12ボルト台をマークしてもセルモーターなどで大電流を消費した瞬間に電圧が下がってしまいます。このため、バッテリーの点検をちゃんと行う場合は、電気を消費させた時の電圧と電流で能力を測ったり、バッテリー液の比重を測ったりして診断を行います。
エンジンがかかっている時のバッテリー端子電圧は、13.5~14.7ボルト程度にあるのが正常です。これで、発電機が正常に機能しているか目安にできます。発電機もバッテリー同様、仕事をさせた時(電流を多く流した時)に電圧維持ができることが大切です。より突っ込んだ点検をするには、エンジンを掛けたままヘッドライトを点灯しブロワモーター(室内エアコンのファン)を回して、始めの電圧が維持できるかテストします。
オルタネーターの性能によっては、アイドリング回転で電流が不足する場合があります。例えば、エンジン始動前が12.6ボルトで、エンジン回転中が14.5ボルトになっていたとすると、ヘッドライトだけの点灯ではOKでも、ブロワモーターをMAXにしたりすると電圧が低下してくることがあります。この場合でも、エンジン回転を1500~2000回転程度に上げて電圧が14ボルト台に回復すれば、発電性能はおおむね正常と判断しても良いと思います。
こういうテストをしてみると、雨の日、夜の渋滞にハマッてヘッドライト点灯、ブレーキ踏みっぱなし(ブレーキランプ点灯)、エアコン、曇り取りの熱線、オーディオ、カーナビと電装品を使えば、バッテリーが上がって当然だなと納得します。オルタネーターは、エンジン回転が2000回転くらいにならないとフル出力とならないので、アイドリングの700回転程度で電気を使いすぎると発電不足になってしまうのです。
このように、テスターがあると状況に応じた電圧変化が細かく分かって便利です。
流行のアーシングも、電圧降下を極力少なくするという目的があるはずですが、テスターでアチコチの電圧を測ってみると、バッテリー端子との電圧差も良く分かります。
1000円くらいで売っているお店もある
さて、一般的なテスターを買えるところというとカーショップやDIY店があるのですが、私が回ってみたところ、デジタル式で良さそうなものは3000~5000円クラスもしていました。これだと、そんなに出せないよという人も多いでしょう。そこで、電気パーツの専門店で買うと掘り出し物を発見することもあります。
例えば、東京・秋葉原にある秋月電子(http://akizukidenshi.com/)というところでは、1000円からデジタルテスターを購入することができます。これだったら、クルマのグローブボックスに入れておいてもいいかなという値段です。もちろん、乾電池の電圧を測ったりなど家庭での用途にも使えます。
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