カーメンテナンス/車のトラブル

ちょっとした心構えで余裕は大違い 冬トラブルの対処法(3ページ目)

雪国の人にとっては当たり前でも、不慣れな人には常識を越えたトラブルが起こるのが雪道ドライブ。そこで、比較的ありがちなトラブルについての対処法を挙げてみました。

執筆者:高山 則政

窓が凍ってしまった
 寒さの厳しい地域は、出かける前の準備に時間が掛かるときがあります。窓や屋根に積もった雪を落として視界を確保しないといけないからです。特にガラスに霜や氷がこびり付いた時はやっかいです。スクレーパーで掻き落としたり、市販の解氷剤で溶かすなどの方法の他、あらかじめシートや新聞紙をかぶせておくという予防策を採るようにします。また、レインXなどの撥水剤を塗っておくと、スムーズに雪が落ちるようになります。

 お湯を掛けると能率良く溶けるのですが、温度の急変でガラスが割れると大変なので、避けた方が良いでしょう。私が子供の時は、父がヤカンの熱湯をガラスにかけるのが出発前の儀式でしたが、この時のクルマは強化ガラスでした。今の合わせガラスで大丈夫なのか?ぬるま湯なら平気でしょうけど・・・。

鍵穴が凍った
 リモコンドアロックのクルマにはあまり関係ないかも知れませんが、まれにドア内部の水滴が凍って鍵が回らなくなることがあります。軽く左右に揺さぶると回ることもありますが、ムリするとキーが折れるので注意が必要です。対処としては、まず、助手席のドアが開かないかトライします。また、ノズルが付いた専用の解氷剤を使う方法がありますが、クルマに積んであると意味がありません。そこで、キーをライターなどであぶってから差し込んでみます。この熱で氷を溶かせばキーが回るはずです。

ドアが開かない
 確率的にはそれほど多くないですが、ドアが凍って貼り付いていることもあります。そのまま開ければ大抵問題ないと思いますが、古いクルマではドアパッキンを痛めてしまうこともあるかも知れません。そこで、このような症状を防止するため、ゴムパッキンにシリコーンスプレーやラバースプレーを塗っておきます。シリコンスプレーは、ホームセンターで200円ほどです。防水や撥水効果があり、ゴムの保護に最適です。

冬なのに、オーバーヒート
 寒い冬でもエンジンの冷却は必要です。雪でフロントグリルやバンパーの開口部がふさがれてしまうと、エンジンルームに風が通らなくなってオーバーヒートしてしまうことがあります。このため、冬でも水温計をチラッと見るくらいの配慮が必要です。特に吹雪いているときや、スピンして道路脇の雪壁に突っ込んだときなどは、ダメージがなくても開口部がふさがっているので、雪を落としてから走行します。

降雪時の駐車に注意
 雪道走行では、夏場より走行スピードが落ちるので、目的地への到着予定が大幅に狂うことがあります。疲労も溜まりやすいので、ちょっと休憩とエンジンを掛けたまま仮眠を取ることもあるかも知れません。ところが、これは非常に危険です。雪がマフラーを覆って車内に排気ガスが入ってくる可能性が高くなるからですが、実際に亡くなられてしまった方もいます。雪道ドライブでは、毛布や防寒着を用意して、エンジンを止めて仮眠するようにします。これは、省エネルギーや環境問題の観点からも重要です。

 また、駐車場ではリヤ側を雪の壁にくっつけ過ぎないようにしましょう。マフラーの中間から排気ガスが漏れていると、車室内に排ガスが侵入しやすくなるので注意する必要があります。
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