輸入車/注目の輸入車試乗レポート

男のラテン・コンパクトカー主義(6ページ目)

様々なしがらみから開放され、自由なクルマ選びを愉しむ。そんな贅沢な悦びを堪能するには、刺激的なラテン生まれのコンパクトカーこそが相応しいとはおもいませんか。

三代 やよい

執筆者:三代 やよい

車ガイド

熟れた味わい

”147走り"
じっくり熟成されてきた時間を感じさせる乗り味。“プレミアム”という形容詞が相応しいドライブフィールです

ブランドやデザインの印象から、147にアクの強いイメージを抱いている方は、まずはその乗り心地に驚かれるはず。サスペンションストロークをたっぷり使って、路面の凹凸を器用に収束。滑らかに路面を撫でる躾のよい走りは、イタリアの石畳を考えるとなるほど納得の仕上がりといえます。

進化と熟成を重ねた1.6リッターエンジン、もしくは2.0リッターエンジンという2種類のユニットを用意していますが、いずれもファン垂涎のアルファサウンドが健在。レスポンスの良さにも血統を感じさせます。2.0リッターエンジンに設定されるATモード付5速シーケンシャルトランスミッションの「セレスピード」の洗練されたフィールからは、改良に改良を重ねた熟成加減を実感できます。

受け継がれる熱っぽさ

147TI
高性能モデルに伝統的に冠されてきた『TI』は、147の歴史にも刻まれています
コーナーの入口に差し掛かると、まるで獣がふっと体をふせるかのように腰を落とし、面白いほどにグイグイと出口に向かって進んでいく資質もアルファロメオならでは。思わず「これこれ」と漏らしてしまうほどに、その挙動は鮮やかそのもの。とはいえ、触れれば切れてしまいそうなほどに尖っているわけではなく、あくまで大人味のオブラートに包み込んだ上品なテイストに仕上がっています。

また、147にはスポーティモデルの『TI』も用意されています。『TI』とは「トゥーリズモ インテルナツィオナーレ」のことで、アルファロメオの高性能スポーツモデルに与えられてきた伝統の称号です。専用17インチ アロイホイールやスポーツサスペンションで武装された『TI』は、より「らしさ」を求める方には嬉しいかぎり。

プレミアムスポーツハッチの先がけとなったアルファロメオ・147は、まさにラテン気質を代表すると言っても過言ではないクルマでした。ではイタリア発の注目コンパクト、もう一台いってみましょうか。次のページでは、日本デビューを2008年に控えたフィアット・500をご紹介します。
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