叶姉妹しかり、ヒルトン姉妹しかり。最近の注目姉妹といえば、女子レスリングの井調姉妹であろうが、やはり姉妹というのは似るものである。だから「デミオのプラットフォームでもう一台」と聞けば、着せ替えリカちゃんを想像してなにが悪いと開き直りたい思いである。
しかし、実際はどひゃー、なのであった。スタイルを見る限りでは、やわらかな丸みのあるラインだし、ちょっとMINIを思わせるシルエットだし、女子狙いのバリエーションかとタカをくくっていたのである。
でも、実際に運転席に座ってエンジンをかけると、あら、排気音、よくない? こう、オシリの下を通り抜けて背中から聞こえるエキゾーストノートというやつが、結構、スポーツしているのである。そしてその音の小さいこと。いわゆる「静粛性」なのだが、それがすごくいい。エンジン音や排気音というのは、ある程度、運転席に届いて当たり前なのだけれど、たいてい「うるさいなあ」というレベル。特にこのクラスでは我慢すべきレベルで妥協されていた。でもベリーサに至ってはほどよく押さえ込まれ、しかも音質がいいとあって耳に気持ちいいクルマに仕立てられているのである。
走らせてみると、操作系はほどほどに軽く。でも乗り心地はしっかりとした硬さをキープ。運転しやすいけれどスポーティな感覚を演出してあり、デミオの着せ替えリカちゃんどころの騒ぎではなかったのである。
ベリーサの自信は、エンジンが1・5Lひとつということだろう(追加で出したら怒るけれど)。ふつう、台数を売るために1・3Lとか1・6Lとかバリエーションを増やすのだけれど、どんぴしゃりな走りはこれ、と言わんばかりの一台勝負なのだ。
インテリアの質もアテンザあたりから急激によくなったし、トランクスペースも使いやすいし、久々に「一本」とられた感じなのであった。
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