工夫が光るラゲッジルーム
コクピット風のインパネは、トグルスイッチを採用するなど従来のプジョーとはひと味違う印象を受ける。外観に負けずない存在感があるし、スポーティな雰囲気に包まれる空間だ |
一番下に設置すると、嵩のある荷物を積み込めるなど大容量を確保。フロアボードを中段に設置すると、テールゲート下段と同じ高さになるだけでなく、後席を倒したスペースまで高さを揃えて完全フラットにできる。フロアボードを一番高くすると、荷室を上下分割して使えるだけでなく、テールゲート上段を開けるだけで荷物の出し入れが可能になる。この3段階式フロアボードは日本車顔負けの工夫だ。オン・オフを問わず積載性では不満は出ないはず。
プジョー3008の魅力は、3段階に調整できるラゲッジボードを採用したフレキシブルに使えるラゲッジルーム。上下分割式なので大きな荷物を積む際は、両方とも開けるのがやや手間だが、使い勝手は悪くない |
BMWらしいX1
BMW・X1をライバルとすると、プジョー3008とは大きな違いを感じさせる。X1は3シリーズのツーリングをSUV化させたようなモデルで、BMWらしいダイレクト感を十分に抱かせる走りとシンプルなラゲッジルームが特徴だ。着座位置はSUVとしてはかなり低い方で、荷室も後席を前に倒すだけとシンプルな作りに徹している。全幅1800mm、全高1545mmは日本の機械式駐車場に収まるべく設計されており、BMWの日本マーケット重視の姿勢が表れている。X1は2WDとはいえ363万円からの値付けと、BMWに乗ったことのない潜在ユーザーを振り向かせるには十分。SUVでも雪国でもない限り、4WDは必須という向きは少ないだろうから、大人4人がしっかり座れてそこそこの荷物が積める、あるいは2人乗車でキャンプなどアクティブに使いたい人には十分な訴求力がある。その点ではプジョー3008も同様だが、BMWに対する走りへの期待感がX1の強みだろう。実際にX1の走りはBMWそのもののハンドリングを味わえるが、パワステをはじめとした操作系が過剰なほど重く感じる。この点もBMWらしいといえるのだが。サイズによる取り回しのしやすさはX1の方が若干上だが、プジョー3008と大差はない。ストップ&ゴーのしやすさといえば、むしろプジョー3008の方が上で運転しやすいかもしれない。
次ページはどちらを買う?