NISSAN(日産)/日産の車種情報・試乗レビュー

スカイライン クロスオーバーは大当たり(2ページ目)

クーペとSUVを融合させたスカイライン クロスオーバーは、いままでのSUVとは一線を画す走りとスタイルが身上。最近の日産車では大当たりというべき、出来のよさが光る。

塚田 勝弘

執筆者:塚田 勝弘

車ガイド

2WDと4WDは別物の走り

インテリア
セダンやクーペよりもセクシーに見えるのは、インパネもそう。ドライバーを包み込むようなコクピット的な作りで、質感は欧州車にヒケをとらない。ソフトパッドを張ったことで触感も滑らかで上質。内装は男子系のスポーティなブラック、セクシー&エレガントなブラウンを用意
まず、FRである2WDから走り出す。FRらしくクルマとの一体感が高く、低速域でも意のままに操っている感覚を味わえるのが、ほかのSUVとは一線を画す美点だろう。街中でも思いのほか小回りが利くし、鈍重な印象はほとんどないから、「大きさを感じさせない」という感覚を加速させる。

乗り心地もスカイラインシリーズでは最もよく感じた。最近のSUVでも上位にランクインするはずで、メルセデスのGLKクラスと匹敵する上質な足さばきだ。セダンやクーペで当初見られたコツコツとする弱めだが、イヤな衝撃はほとんどない。ただし、それなりに大きなシューズを履いているから、大きな凹凸ではそれなりに上下動はするが、ボディの上屋が揺すられることは少ない。タイヤといえば、オールシーズンタイヤの採用は日本では解せない。これではスタッドレスを買わないとスキーにも行けないし。

山道も楽しい

エンジン
フェアレディZと同じ、VQ37VHRエンジンは全域に渡りパワフル。勇ましい排気音はスカイライン クロスオーバーのキャラクターを考えると少々違和感がある。7速ATのスムーズな変速はスカイライン クロスオーバーの大きな魅力だ
フェアレディZやクーペと同じVQ37VHRエンジンは、330ps/36.8kg-mという十分なパワー&トルクを誇るからもちろん遅いわけがない。それでいて発進時のマナーもまずまずで、2WDモデルはもう少し発進時の加速Gを抑えてもいいかなと思ったが、スタート時の飛び出し感は少ない。軽く踏んだだけでガクンと加速してしまうと、高級もなにもなく雰囲気台なしだが、結構大人だ。ただし、エキゾーストノートはクーペ系とはいえ、SUVとしては少々やんちゃな印象。もう少し抑えても演出不足ではないと思えたが、やはりスカイライン兄弟としてははずせないスポーティ感なのだろうか。

なお、高速でのパワーや操縦安定性も文句はなく、ワインディングにステージを変えてもSUVの一般的なイメージとはまったく違う。X5のような作られた感のある機械的なスポーティではなく、FRとベースのスカイラインのよさが生きている。スカイラインはよくできているんだな、と再確認させられた次第だ。

ただし、2WDと4WDの差は想像以上に大きい。ニクがスニーカーだとしたら、ヨンクはブーツというくらい重くて、小回りが利かない感覚で、走りも何かを引きずっているような重厚感がある。販売比率はFRが7割と大半を占めているそうだが、雪国に住んでいる以外は2WDが断然買いだ。

次ページは使い勝手について
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます