VOLVO(ボルボ)/ボルボ

新生ボルボXC60の秘密兵器(3ページ目)

ボルボ期待の新型XC60がついに日本上陸を果たした。低速時のオートブレーキ機能を搭載し、競争の激しいミドルクラスSUVに参入する。

塚田 勝弘

執筆者:塚田 勝弘

車ガイド

全方位高いレベルに

ラゲッジ
3分割された後席は荷物と乗員に応じて広さを調整できる。助手席の背もたれも倒せるので長尺モノも積める
安全装備以外の走りを見ていこう。エンジンは直列の割にはちょっとがさつな回り方とサウンドだが、耳を凝らせばというレベルで気になるものではない。低速トルクは十分で、高速域のパワーも劇的に速いわけではないが、日本の高速道路なら難なく流れをリードできる。しかし、いまどきのターボの割に過給のスタートが唐突で、トルクフルの割にスムーズな走りをするには右足にちょっとコツが必要だ。

乗り心地はバネ下の重さを感じるが、シーンを問わずフラットな姿勢を保つ。着座する席を問わず快適な空間を提供し続ける。ハンドリングはスパッというタイプではなくどちらかといえばスローで、SUVらしいゆったりしたもの。4WDのためか、小回りが思ったより効かないので、試乗などで確認してほしい。

XC70のように、新世代ボルボの走りのよさがしっかりと実現されているのは朗報だろう。

装備も充実

シート
後席には膝前にコブシで2つ、頭上にはコブシで1つくらいのスペースがある。リクライニングはしないが、足が前席下に入るなど、快適性は十分だ
ボルボらしいのは先進安全装備だけでなく、ファミリーパッケージに用意されるインテグレーテッド・チャイルド・クッションや、DYNAUDIOのプレミアムスピーカーなどの小粋の効いた装備の数々もそう。後席中央は座り心地から短時間向けだが、大人4人が十分快適に座れる車内空間、ワゴンで腕を磨いた隙のない荷室の使い勝手も良好だ。後席を倒すと多少背もたれ部分が斜めになるものの、ほぼフラットなラゲッジはXC60の魅力のひとつ。4人乗車でも全員用のゴルフバッグを収納できる。

価格も600万円を切るなど、ライバルと比べても頑張っている。ボルボもガチンコと認めるアウディQ5よりも確かにお買い得だが、アウディQ5には価格なりの一歩上の高級感が内・外装、何より走りに表れているのも確かだ。

しかし、高い安全性を筆頭に日本で扱いやすいサイズ、新世代ボルボらしい全方位隙のない洗練具合も大いなる魅力で、悩ましい限り。ますますこのクラスのSUVが盛り上がってきたのは歓迎すべきだろう。

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