輸入車/注目の輸入車試乗レポート

ダッジ・JCは想像以上の実力車(3ページ目)

ダッジ・JCの出来映えは想像以上によく、セダン・ミニバン・SUVの要素も中途半端になることなく巧みに融合させている。新しい3列シート車の選択肢として想像以上に魅力的だ。

塚田 勝弘

執筆者:塚田 勝弘

車ガイド

不満のないサードシート

ラゲッジ
3列目は5:5分割可倒式。2列目シートの位置によるが、1アクションでヘッドレストごとフラットに拡大できるのが美点。なお、ラゲッジ下には小物入れもあり、収納スペースは豊富だ
エスティマよりも全長があるのだから、サードシートの実用性にも期待したいところ。クライスラーにはグランドボイジャーという大型ミニバンがあるが、ショート版のボイジャーはカタログから落ちてしまった。その穴も埋めて欲しいという思惑があるそうで、その点から言ってもサードシートの居住性、乗降性は及第点を与えられる。やや体育座りになるが、171cmのレポーターでも2時間くらいのドライブなら我慢できるそうだ。ヘッドクリアランスはコブシ1つくらい。乗り込む際は1アクションで座面が跳ね上がり、前にスライドできて乗り降りできるのも日本車を研究しているのではないだろうか。

ラゲッジも使いやすい

収納
アメリカ車といえば大味なクルマ作りというのは、先入観に過ぎない。JCにはドイツ車以上、日本車に迫る収納スペースが豊富にある。このボックスのライナーは取り外して洗うこともできる
3列目シートは5:5の分割可倒式で、荷室側から倒す際は2列目シートに引っかからなければ、背もたれを倒すだけでヘッドレストも同時というか自動で倒れる機構になっている。2列目だけでなく、助手席のシートバックも前に倒せるので、長尺物の収納も容易。贅沢をいえば、路面からの高さがもう少し抑えられていると荷物の出し入れも楽だろうが、むしろ、195mmという最低地上高を活かしてマリン、ウインタースポーツやアウトドアの相棒としてはありがたいSUVテイストのスタイリングというメリットの方が大きいかも。

4WDの設定がないのが残念ではあるものの、生活ヨンクが欠かせない雪国でなければ2WDでも十分なのも事実。都会でも映えるスタイルに、ミニバン並の3列目、日本人好みの豊富なポケッテリアに、シンプルだが実用性の高いシートアレンジ、少しくらいの段差なら躊躇することなく走れるSUVスタイル。どの要素も中途半端になっていなく、意外なほどと言ったら失礼だが実力は結構高い。

気になるのは、クライスラーのフトコロの状況や日本のユーザーにとっては販売網が脆弱な点か。前者はアメリカ政府の支援とフィアットとの提携で光は差しつつある。後者はとりあえず気になるユーザーは販売店探しから初めて、試乗するしかないが、多少遠い販売店であっても乗りに行く価値は十分ある。競争力の高い価格も魅力だろう。

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