輸入車/注目の輸入車試乗レポート

ダッジ・JCは想像以上の実力車(2ページ目)

ダッジ・JCの出来映えは想像以上によく、セダン・ミニバン・SUVの要素も中途半端になることなく巧みに融合させている。新しい3列シート車の選択肢として想像以上に魅力的だ。

塚田 勝弘

執筆者:塚田 勝弘

車ガイド

気になる取り回し性は

インパネ
直線を基調とし、整理されたインパネまわりの使い勝手は悪くない。助手席前のグローブボックスやシート下、2列目の床下にも収納スペースを用意。日本車のような痒いところに手が届くユーティリティにも注目
大きめのドアを開けて運転席に乗り込むと、ミニバン・SUVらしい見晴らしのいい視界が広がる。大きめのヘッドレストを備える車内だが、後方を含めて周囲の状況をつかみやすい。

一方、今回の試乗コースでは郊外路、高速道路が中心で、5mに近づかんとする全長の取り回し性は入念に確認できなかった。住宅街でUターンする機会があったが、それなりに気は使う。ただし、ある程度大きなクルマに慣れたユーザーなら問題ないだろうし、右ハンドルなので日本車からの乗り替えでも違和感は少ないだろう。なお、助手席のドア内側には、ジープでもお馴染みのサイドビューカメラが映し出すモニターが備わり、駐車時や狭い道でのすれ違いで威力を発揮する。もちろん日本の法規に対応するための装備だが、かつての補助ミラーがスタイリングを台なしにする上に、実用性にも疑問符がつくシロモノだったから、見た目、使いやすさの面からも歓迎だ。

ダッジらしい乗り味

シート
さすがにエスティマを上回るボディサイズがあるだけに、サードシートは大人でも座れる。乗降性も悪くなく、キチンと実用になる3列目といえる
今回のJCは静粛性に力を入れ、ハンドリングにも自信アリというインポーターのコメントを聞いた上で試乗すると、確かにジープブランドよりも静粛性は若干上手のような気がした。乗り味も悪くはないが、60km/hくらいの街中では、巨体の割に落ち着かないユサユサとした動きを見せる。もう少し足の動きがスムーズになり、ボディがピタリと安定してくれると言うことはないだろう。ハンドリングもサイズの割には悪くはないものの、もはやSUVの走りの域を超えてしまっているBMW・X5辺りと比べるとまだ背中は遠い。しかし比較する相手が悪いのであって、ボルボXC90よりは走りの面では上手かも知れない。

1人乗車であったので、185ps/26.1kg-mのパワー&トルクにまったく不満はない。ただし、エンジンの回り方や音質はあくまで実用系で、色気やエンターテインメント性に秀でているワケでもない。大人4人、子ども2人くらいのロングドライブなら必要十分だろうが、大人7人のフル乗車だともう少し実用域でのトルクが欲しくなるシーンもあるかも。

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