輸入車/注目の輸入車試乗レポート

個性が光るグランドボイジャー(3ページ目)

ミニバンの元祖として知られるグランドボイジャーが5世代目にスイッチ。今回はショート版のボイジャーはなく、ロング版のグランドボイジャーのみ。日本の高級大型ミニバンにはない個性こそが魅力だ。

塚田 勝弘

執筆者:塚田 勝弘

車ガイド

広大な横空間

シート
立派なヘッドレストが付いた2列目はキャプテンシート。もちろん快適で特等席。3列目はベンチタイプに見えるが、3座席とも平等に割り振られており、ヘッドレストもおまけではない
シートは7人掛けのみ。2列目はキャプテンタイプ、3列目が一体型だが6:4分割で床下に格納できる。2列目も床下に格納可能できるので、重いシートをはずす必要はない。2列目を格納するには1列目を前にスライドさせる必要があるが、2-3列目ともに格納させることはそうそうないはずなので、問題はないだろう。ややシートが重く、折りたたみにコツは必要だが、よく考えられている。

白眉なのは3列目で床下に格納するのは同じだが、すべて格納させるのはもちろん、分割可倒式なので片側のみ、あるいは背もたれのみを倒すなど、1つのボタンで4通りの操作が可能だ。リミテッドには電動機能が備わるので、ボタン操作のみで3列目を格納できる。また、通常に座る場合は空いた床下スペースを床下収納としても使えるなど、フル乗車時の利便性にも寄与。2-3列目のサンシェードや脱着できる懐中電灯、航空機からヒントを得た角度を変えられる読書灯、間接照明まで、装備も充実しており、リミテッドにはHDDナビやDVD、iPodケーブルを備え、ツーリングもDVDに対応する。さすがにミニバンの元祖だけあって、大きいだけでなく細かいワザも冴えている。

大人7人のロングドライブもOK

3列目
荷室は深さもあり、積みがい?がありそうだ。3列目は6:4分割式でそれぞれ、両方とも床下に格納できる
1-2列目のシートサイズ、とくに背もたれの天地は短く感じたが、座ってみるとゆったりしているし、フィット感も十分で心地よい。3列目は膝が少し起きあがるようなアップライトな着座姿勢になるものの、片道2時間ドライブも苦ではないだろう。3列目席の頭上は、172cmのリポーターで手のひら2枚程度と、全高がライバルよりも低い分狭め。しかし、横方向はゆったりしているので、窮屈な印象は少ない。元祖だけに大人6、7人で快適に移動できる。

日本の大型ミニバンが豪華絢爛な高級車になっている現状では、質実剛健な実用ミニバンといえるのがグランドボイジャーの魅力で、持っているとついキャンプや海水浴などのレジャーに大勢で出かけたくなる、そんな雰囲気が漂う希有なミニバンだし、他にはない個性も魅力的に映った。問題は大柄なボディと、10・15モードで6.5km/Lという燃費だろうか。ハイオクを指定するだけに、ガソリンスタンドでは大食いぶりに泣かされることも覚悟すべきだろう。

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